5日の香港株式市場は3営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日比67.78pt(0.28%)高の24,104.15ptだった。前日の米株安と中国不動産会社の経営不安から朝方は売られ、取引時間中として1年ぶりの安値となる場面があった。半面、このところの下げで値ごろ感を意識する向きも多く、次第に買いが優勢となった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同0.31%安だった。経営不安が続く不動産大手、中国恒大集団(03333)と傘下の恒大物業集団(06666)は前日に続いて売買停止となった。恒大物業の買収観測が出た合生創展集団(00754)や、償還期限までに米ドル建て債の元金を返済できなかった花様年控股集団(01777)など他の不動産会社の売買停止も続いた。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は997億香港ドル。前日から1割減り、約5カ月ぶりに節目の1000億香港ドルを下回った。ストックコネクトを通じた本土投資家による香港株売買(ストックコネクト・サウスバウンド取引)は、国慶節(建国記念日)の連休に伴い休止だった。
5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比311ドル75セント(0.9%)高の34,314ドル67セントで終えた。前日の下げを受けた自律反発狙いの買いが主力ハイテク株に入った。9月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が市場予想より好調だったことが分かると、米景気の底堅さを意識した買いが強まった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、同178.345pt(1.3%)高の14,433.830ptで終えた。
本日の香港株式市場は続伸か。前日の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを引き継ぎ、高く始まるとみられる。前日に1年ぶりの安値を付けた反動で自律反発狙いの買いも期待されよう。ただ、中国不動産業を巡る不透明感などは依然と強く、買い上げる勢いも限定的と思われ、上値の重い展開となろう。
(マーケット支援部 床井)