休場明け4日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前営業日比539.27pt(2.19%)安の24,036.37ptで年初来安値を更新した。2020年10月以来の安値水準。朝方は小安かったが、不動産大手の中国恒大集団(03333)の債務問題への警戒から、リスク回避姿勢を強めた投資家の売りが膨らんだ。幅広い銘柄に売りが出て、指数は節目の24,000ptを下回る場面があった。中国電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)や、スマートフォンの小米(シャオミ、01810)が安い。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は3日続落し、同2.09%安だった。新型コロナウイルスの飲み薬の開発進展が伝わったことはワクチン関連株の売り材料となった。薬明生物技術(02269)などバイオ医薬品株が軒並み安。平安健康医療科技(01833)などネット医療株も下落した。中国本土市場は国慶節連休のため休場だった。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比323ドル54セント(0.9%)安の34,002ドル92セントで終えた。朝方に米長期金利が上昇する場面があり、PER(株価収益率)が高く、金利上昇時に売られやすい主力ハイテク株が下げを主導した。中国不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感や米連邦政府の債務上限問題もくすぶり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅反落し、前週末比311.212pt(2.1%)安の14,255.485ptと、6月下旬以来の安値で終えた。
5日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。中国恒大集団問題による中国経済の先行き不透明感や世界の金融市場への悪影響などが意識されて日欧の株式相場が下げ、米株市場でも国債利回りが上昇する中、ハイテク株やグロース株を中心に売りが出た。香港市場にもリスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)