29日の香港株式市場は3日続伸した。ハンセン指数の終値は前日比163.11pt(0.66%)高の24,663.50ptだった。前日の米国市場で長期金利の上昇などを背景に主要株価指数が下落し、香港市場でもリスク回避の売りが先行したが、金融株が堅調で相場を支えた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は反落し、同0.83%安だった。香港メーンボードの売買代金は1235億香港ドルと、前日から16%減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、29日から国慶節(建国記念日)の連休に伴う休止期間に入った。再開は10月8日となる。
29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比90ドル73セント(0.3%)高の34,390ドル72セントで終えた。米長期金利の上昇が一服し、製薬のメルクや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株中心に買い直された。前日は金利上昇を嫌気してダウ平均は569ドル下げており、値ごろ感からの買いも入ったようだ。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、同34.242pt(0.2%)安の14,512.441ptで終えた。
本日の香港株式市場は上値の重い展開か。電力不足を背景にした経済停滞が懸念される中、明日からの国慶節の連休を前に、利益確定の売りが優勢となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
PMIなど重要指標発表
29日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比65.9240pt(1.83%)安の3,536.2944ptだった。約1カ月ぶりの安値。国内の電力不足に加え、不動産大手、中国恒大集団の経営不安も根強く投資家心理が悪化。朝方から幅広い銘柄に売りが出た。また、10月1日から国慶節(建国記念日)の大型連休に入るのを控え、持ち高調整の売りも出た。 上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は0.61%下げ、約4カ月ぶりの安値だった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆777億元。前日から小幅に増え、節目の1兆元も49日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで2億6600万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、宝山鋼鉄(バオシャン・アイロン&スチール、600019)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は軟調な展開か。日本時間10時に中国の9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などの重要指標が発表される。中国景気の減速を示す内容となれば売り圧力が強まろう。
(マーケット支援部 床井)