2日の香港株式市場は4日続伸。ハンセン指数の終値は前日比62.14pt(0.23%)高の26,090.43ptだった。4日続伸となるのは、3月15~18日以来およそ5カ月ぶり。1日の米ハイテク株高の流れが香港市場にも波及し、テック株を中心に買いが先行した。もっとも、中国当局が1日に滴滴出行(ディディ)や美団などの配車各社を呼び出し、法令順守を求めたと伝わると、改めて規制リスクが意識された。指数は下げに転じる場面もあった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も4日続伸し、前日比1.61%高で終えた。一時は同3%超上げたが、その後は伸び悩んだ。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、成約ベースで6億2600万元の売り越し。香港メーンボードの売買代金は1710億香港ドルと、前日から6%ほど減った。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比131ドル29セント(0.4%)高の35,443ドル82セントで終えた。朝方発表の雇用関連指標が市場予想以上に改善を示し、景気の回復鈍化への懸念が後退した。足元で下げていた資本財や石油など景気敏感株が買い直され、指数を押し上げた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は前日比21.796pt(0.1%)高の15,331.177pt、多くの機関投資家が運用の参考にするS&P500種株価指数は前日比12.86pt(0.3%)高の4,536.95ptと、ともに過去最高値を付けた。
3日の香港株式市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開か。米株式市場で主要3指数が上昇した流れは香港市場でも好感されよう。原油高を受け、石油関連など景気敏感株への買いが期待できそうだ。一方で、ハンセン指数は昨日まで4日続伸し約3週間ぶりの高値を付けた後であることや今晩に米国の雇用統計の発表を控えていることから、上値は限定的か。経済指標では、日本時間10時45分に8月の中国財新非製造業PMIが発表される予定。市場予想は52.0だが、8/31に国家統計局が発表した非製造業PMIが47.5と、昨年3月以降キープしてきた景気の分岐点50を割り込み景況悪化を示したこともあり、内容を見極めてからの動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
神経質な展開か。北京証券取引所設立の影響を見極めへ
2日の中国・上海株式市場は5日続伸した。上海総合指数の終値は前日比29.9418pt(0.83%)高の3,597.0426ptと6月下旬以来、約2カ月ぶりの高値だった。朝方は小安かったものの、中国当局の景気対策への期待を支えに切り返した。午後に入ると買いの勢いが強まり、指数はこの日の高値圏で引けた。金融株の一角が高く、エネルギー関連や化学、鉄鋼株も買われた。半面、酒造が軟調。医薬や小売りの一角も下げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆4340億元と、節目の1兆元を32日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで51億3700万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが買い越しとなり、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
3日の中国本土市場は神経質な展開か。習近平国家主席が北京証券取引所を設立する考えを明らかにしたと伝わっており、上海と深セン両証券取引所への影響を見極めたいとのムードが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)