3日の香港株式市場は5営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比188.44pt(0.72%)安の25,901.99ptだった。指数は今週に入り、ハイテク銘柄を中心に4日続伸していたが、中国当局による規制強化懸念は根強く、テック株を中心に短期的な利益確定目的の売りが優勢となった。3日午前に発表された8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から大幅に低下し、好不況の境目である50を下回った。ハンセン指数は発表直後に1%強下げた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も5営業日ぶりに反落し、1.06%安で終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド・トレーディングは、成約ベースで2億1300万香港ドルの売り越し。香港メーンボードの売買代金は1720億香港ドルだった。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。前日比74ドル73セント(0.2%)安の35,369ドル9セントで終えた。3日発表の8月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったことを受け、米国の景気回復が鈍化するとの懸念が強まり景気敏感株の一角が売られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸し、前日比32.339pt(0.2%)高の15,363.516ptで終え、過去最高値を更新した。
6日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合いか。明日の中国8月貿易統計の発表を控え、全体相場は動きづらい状況か。貿易統計については、8月のPMIを見るに、輸出入の伸び鈍化が予想されるが、金融当局の指示を受けた銀行の融資拡大の動きも伝わっており、基本的には悪い数値が出ても政策期待が支える流れと予想するものの、内容を見極めたいといった向きは多そうだ。中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)は3日、上海市に新しい半導体工場を建設すると発表した。投資額は88億7000万ドル(約9800億円)。中国は半導体の国内生産の拡大を目指しており、SMICは半導体の生産能力を増強する。関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
上値の重い展開か。半導体関連の個別物色が進みそうだ
3日の中国・上海株式市場は6営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比15.3082pt(0.42%)安の3581.7344ptだった。財新などが朝方発表した8月の中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)の低下を受け、中国景気の減速を警戒する売りが先行した。週末を控え、持ち高調整の売りも出やすかった。もっとも、海外株式相場が総じて堅調なことが投資家心理の支えとなり、指数は上昇に転じる場面もあった。自動車や機械株が安く、「北京証券取引所」の新設方針による事業拡大期待から朝方堅調だった証券株も売りに押された。半面、酒造株が高く、銀行や保険、医療株の一角も買いが入った。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆5731億元と、33日連続で1兆元超えとなった。中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで70億6800万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
6日の中国本土市場は上値の重い展開か。明日の貿易統計の発表を前に中国景気の減速を警戒する売りが上値を抑えそうだ。SMICの生産能力増強報道を受け、半導体関連に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)