1日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸した。終値は前日比149.30pt(0.57%)高の26,028.29ptと、心理的な節目の26,000ptを上回り8月16日以来およそ半月ぶりの高値を付けた。中国の8月の企業景況感の悪化を受け、中国政府が景気対策を打ち出すのではないかとの期待が広がった。この日の中国・上海株の上昇も投資家心理を上向かせた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同1.29%高の6,693.66ptだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1818億香港ドルと、前日(2133億香港ドル)から15%減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで1億1600万香港ドルの売り越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前日比48ドル20セント(0.1%)安の35,312ドル53セントで終えた。主要株価指数が過去最高値圏で推移するなか、景気敏感株を中心に利益確定や持ち高調整の売りが優勢だった。一方、緩和的な金融環境が続くとの見方から、長期金利の低位での推移が追い風となる高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入り、ダウ平均の下値は堅かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、同50.146pt(0.3%)高の15,309.381ptと、過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は一進一退か。前日の米株式市場で米長期金利の低下を受けてハイテク株が買われたのが支えとなろう。ただ、ハンセン指数は前日に26,000ptを上回り、約半月ぶりの高値を付けたとあって、利益確定売りが上値を抑えよう。
(マーケット支援部 床井)
続伸か、経済対策期待の買い続くか
1日の中国・上海株式市場は4日続伸した。上海総合指数の終値は前日比23.1606pt(0.65%)高の3,567.1008ptだった。8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が政府版・民間版ともに前月から悪化した。特に1日朝に発表された民間版は好不況の境目となる50を1年4カ月ぶりに下回った。市場では当局が財政と金融の両面で景気の下支えに動くとの見方が強まり、大型株を中心に買いが入った。半面、新興ハイテク株は軟調だった。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は6日続落し、前日比1.14%安だった。また、上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆7111億元と、前日から約15%増えた。節目の1兆元を31日連続で上回り、2020年7月以来およそ1年2カ月ぶりの大きさとなった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで76億8700万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は続伸か。中国当局が経済対策で景気を下支えする見方が強まっており、投資家が運用リスクを取りやすくなっている。前日に続き大型株が買われ、指数を押し上げる動きとなろう。
(マーケット支援部 床井)