31日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前日比339.45pt(1.32%)高の25,878.99ptと、約2週間ぶりの高値を付けた。中国当局の規制強化や中国景気の減速懸念から売りが先行したが、政府の景気対策への期待から本土株相場が持ち直すと、歩調を合わせて香港株も午後に切り返した。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同3.38%上げ、約3週間ぶりの高値だった。ハンセン指数は月間で0.3%安。2020年1~3月以来となる、3カ月連続の下落となった。31日の香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は2133億香港ドル。前日から5割超増え、およそ1カ月ぶりの多さだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで66億8500万香港ドルの売り越しだった。
8月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比39ドル11セント(0.1%)安の35,360ドル73セントで終えた。8月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回り、米個人消費の伸び鈍化が懸念された。月末とあって、利益確定売りも出やすかった。一方、緩和的な金融環境が当面続くとの見方は投資家心理を支え、ダウ平均の下げ幅は限られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比6.655pt安の15,259.235ptで終えた。
本日の香港株式市場はもみあいか。前日の米株式市場が下落した流れが香港市場にも波及しそうだ。ただ、市場では、当局はインフラ投資で景気を支えるとの観測が流れており、インフラ建設関連株が買われて相場を下支えしよう。
(マーケット支援部 床井)
景気対策期待が相場を下支えしよう
31日の中国・上海株式市場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比15.7890pt(0.44%)高の3,543.9402ptと、7月23日以来およそ1カ月ぶりの高値を回復した。朝方は31日発表の8月の景気指標の下振れを失望する売りが先行したが、一巡後は景気が減速すればむしろ中国政府がインフラ投資などの景気刺激策を増やすとの期待が高まった。半面、サービス業の景気指標の悪化を受けて小売り関連銘柄は急落した。また、当局のゲーム規制が重荷となり、ハイテク株の上場が多い上海の新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は下落。終値は前日比2.05%安の1,441.1734ptだった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆4820億元と前日(1兆5782億元)からやや減ったが、売買代金の1兆元超えは30日連続となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで61億4600万元の買い越しだった。個別では、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は香港市場同様、景気対策期待が相場を下支えしよう。また、予定では、8月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。本日よりデータ安全法、重要情報インフラ施設安全保護条例が施行される。
(マーケット支援部 床井)