23日の香港株式市場は3営業日ぶりに反発。ハンセン指数の終値は前週末比259.87pt(1.04%)高の25,109.59ptだった。前週末の米株高や、中国本土での新型コロナウイルスの国内新規感染者数が22日にゼロとなったことなどを受け、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。このところ下げの目立っていたハイテク銘柄を中心に買い戻しが優勢となった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は大幅に反発し、前週末比2.14%高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億2300万香港ドルの買い越しだった。香港メーンボードの売買代金は1697億香港ドルと、前週末から2割弱減った。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比215ドル63セント(0.6%)高の35,335ドル71セントで終えた。前週まで新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大への懸念で売られた景気敏感株が買い直された。朝方は小幅に上昇した米長期金利が次第に前週末終値(1.25%)付近に低下した。長期金利が低下すると相対的な割高感が薄れるハイテク株が買われやすくなり、ナスダック総合株価指数は約2週間ぶりに過去最高値を更新した。
24日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。前日の米株式市場で主要株価指数が軒並み上昇した流れを受け、香港市場でも買いが先行しよう。米長期金利の低下や米原油先物相場の反発が関連銘柄の買い材料となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
6月中間決算を材料に好業績銘柄を選別物色する動きも強まろう
23日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前週末比49.7983pt(1.45%)高の3,477.1321ptだった。指数が前週末に約3週間ぶりの安値を付けていたとあって、短期的な自律反発を期待する買いが入った。前週末まで売り越しだった香港とのストックコネクト取引を通じた海外投資家による中国株投資(ノースバウンド取引)が買い越しに転じたのも、中国からの資金流出に歯止めがかかっているとの見方を誘い、買い安心感につながった。前週末に米国市場など海外市場でハイテク株が買われたことが意識され、23日の上海市場でもハイテク株に買いが入った。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆3225億元と前週末(1兆2525億元)からやや増加し、売買代金の1兆元超えは24日連続となった。ストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで18億3100万元の買い越し。個別では、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
24日の中国本土市場は確りの展開か。原油をはじめとした商品市況の反発が関連銘柄の堅調推移に繋がろう。6月中間決算を材料に好業績銘柄を選別物色する動きも強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)