20日の香港株式市場は続落。ハンセン指数の終値は前日比466.61pt(1.84%)安の24,849.72ptで年初来安値を更新した。2020年11月以来の安値水準。朝方は小安かったが、中国当局による規制強化対象の増加懸念から、次第に売り圧力が強まった。午後に入ると値ごろ感が出た銘柄を買い戻す動きもみられ、指数はやや下げ幅を縮小した。ハンセン指数は週間で5.84%安。週間の下落率は、新型コロナ禍の初期で世界的にリスク回避の動きが強まった2020年3月9~13日(8.08%安)以来の大きさだった。香港メーンボードの売買代金は2043億香港ドル。前日から2割以上増え、約3週間ぶりの多さだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで42億800万香港ドルの売り越しだった。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比225ドル96セント(0.6%)高の35,120ドル08セントで終えた。ハイテク株が買われ、ダウ平均を押し上げた。前日まで下げが目立っていた消費関連株や景気敏感株の一部にも押し目買いが入った。投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日まで節目の20を上回っていたが、20日は18台に低下して終えた。投資家心理の過度な悪化がひとまず和らいだのも押し目買いが入った理由との見方があった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比172.874pt(1.2%)高の14,714.663ptで終えた。
23日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。前週1週間で5.84%下落したハンセン指数は年初来安値を更新しており、自律反発狙いの買いが入りそうだ。前週末の米株式相場の上昇も支えとなろう。株価指数を運営するハンセン・インデックシズは20日、四半期ごとに行っているハンセン指数の構成銘柄見直しの結果を公表した。信義ガラス(00868)と李寧(02331)、招商銀行(03968)の3銘柄を採用し、交通銀行(03328)を除外して構成銘柄数を現在の58から60に増やす方針だ。9月6日の発効日に向け、見直し対象銘柄のポジション調整の動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
海外投資家の動向に注目が集まろう
20日の中国・上海株式市場は続落した。上海総合指数の終値は前日比38.2208pt(1.10%)安の3,427.3338ptだった。中国当局による酒造やオンラインヘルスケア、ネット産業に対する規制強化懸念から、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。一時は2%超下げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆2525億元と、前日から約3%増え、23日連続で節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで108億1600万元の売り越しだった。個別では、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)が買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売り越しとなった。
23日の中国本土市場は、方向感を探る展開か。当局の規制への懸念が継続しよう。ストックコネクトを利用した海外投資家の中国株売買が連日で100億元を超える大幅な売り越しとなっており、その動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)