19日の香港株式市場は反落。ハンセン指数の終値は前日比550.68pt(2.12%)安の25,316.33ptだった。前日の米株安や中国の規制拡大への警戒感を背景に朝方から売りが出た。午後に入ると投資家のリスク回避姿勢が強まり、ネット大手株が一段安。指数も下げ幅を広げた。 香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は同2.93%下げ、最安値を更新した。香港メーンボードの売買代金は前日比23%増の1648億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで39億3300万香港ドルの売り越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比66ドル57セント(0.2%)安の34,894ドル12セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を前倒しし、景気を冷やしかねないとの警戒がくすぶった。景気敏感株への売りが目立った。もっとも、ハイテク株やディフェンシブ株は買いが優勢で、ダウ平均は上昇に転じる場面もあった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比15.875pt(0.1%)高の14,541.789ptで終えた。
20日の香港株式市場でハンセン指数は一進一退の展開か。ハンセン指数は前日に下げ幅が500ptを超え、7月27日に付けた24,748.84ptの安値水準に近付きつつあることから、値ごろ感を意識した買いも入ってくるところと思われる。一方で、米中の景気回復鈍化懸念や中国当局の規制強化策への警戒感は依然としてくすぶっており、積極的にリスクをとる雰囲気にはならないだろう。ハンセン指数は25,000ptを維持できるか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
海外投資家の動向がポイントか
19日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比19.7313pt(0.56%)安の3,465.5546ptだった。米国が早期の金融緩和縮小や金融引き締めに踏み切るとの観測が浮上するなか、景気減速や当局による産業統制が強まる中国から海外投資家が資金を引き揚げるとの警戒感が強まった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆2150億元と前日(1兆1971億元)からやや増えた。売買代金の1兆元超えは22日連続となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで107億8300万元の売り越し。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
20日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。商品市況安が続いており、関連銘柄の上値が重い展開は継続か。昨日7月26日以来の100億元を超える売り越しとなった海外投資家の売買動向にも注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)