18日の香港株式市場は5営業日ぶりに反発。ハンセン指数の終値は前日比121.14pt(0.47%)高の25,867.01ptだった。前日に約3週間ぶりの安値を付けていたため、値ごろ感を意識した買いが入った。中国本土の金融や石油株が指数をけん引した。一方で、米中の景気減速懸念は相場の上値を抑えた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は6営業日ぶりに小幅に反発し、前日比0.12%高で終えた。もっとも、中国当局によるネット大手への規制強化懸念は根強く、テック指数は下げに転じる場面もあった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億3600万香港ドルの買い越し。香港メーンボードの売買代金は1344億香港ドルと、前日から2割ほど減った。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。前日比382ドル59セント(1.1%)安の34,960ドル69セントと2週間ぶりに心理的節目の35,000ドルを下回って終えた。午後に公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で年内のテーパリング(量的緩和の縮小)開始が示され、金融緩和政策の縮小を警戒した売りが幅広い銘柄に出た。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比130.267pt(0.9%)安の14,525.914ptで終えた。
19日の香港株式市場でハンセン指数は反落か。金融緩和縮小が意識されて売りが優勢となった18日の米株式市場の流れを引き継ぐ格好となりそうだ。中国ネットサービスのテンセント(00700)が18日引け後に発表した2021年4~6月期決算は、フィンテックや企業向けITサービス事業が堅調だったことを受け、投資損益など一時的な影響を除いたNon-IFRSベースの純利益が市場予想を上回る内容となった。中国当局による規制等を背景に神経質な動きが続く同社株だが、昨日はストックコネクト取引を通じた中国人投資家の売買は5営業日ぶりの買い越しとなっている。決算を受け、指数寄与度の大きい同社株が堅調な動きとなれば全体相場への好影響も期待できるため、その動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
海外投資家の動向がポイントか
18日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比38.3099pt(1.11%)高の3,485.2859ptだった。中国当局の規制拡大への懸念から朝方は軟調だったが、追加の財政・金融政策への期待から投資家心理が上向き、切り返した。前日までの下げで値ごろ感を意識した買いも入り、指数は午後に上げ幅を広げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆1971億元と、21日連続で節目の1兆元超えとなり、本土株相場の急ピッチの上昇と反動売りで売買が膨らんだ2015年5~7月(43日連続)以来の長さとなった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで34億3300万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが買い越しとなり、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
19日の中国本土市場は、弱含みの展開を想定。米国市場が軟調な展開となっており、海外投資家の動向がポイントとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)