13日の香港株式市場は続落。ハンセン指数の終値は前日比126.20pt(0.47%)安の26,391.62ptだった。様々な産業やサービスへの批判が連日のように中国メディアから出ており、中国当局による今後の規制を警戒する売りが出た。後場に一段安となったが、値ごろ感に注目する買いも入り、指数は大引けにかけて下げ幅を縮小した。中国ネット大手が軒並み安。未成年者のネット利用の弊害に関する中国官製メディアの報道が売り材料視された。半導体やネット保険など、同様に当局の規制懸念が根強い銘柄を売る動きも続いた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比1.92%安で、約2週間ぶりの安値となった。香港メーンボードの売買代金は1258億香港ドルで、前日から小幅に減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで22億5300万香港ドルの売り越しだった。
13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に4日続伸し、前日比15ドル53セント高の35,515ドル38セントと連日で過去最高値を更新した。米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株の一角が上昇した。ただ、消費関連指標の悪化を受けて足元で上昇していた景気敏感株が売られたのが重荷となり、相場の上値は重かった。午前中ごろ発表の8月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が70.2と前月(81.2)から大きく低下。新型コロナの感染再拡大が消費者心理を冷やし、今後の景気回復が遅れるとの懸念を誘った。ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比6.636pt高の14,822.898ptで終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は4日続伸し、前日比7.17pt(0.2%)高の4,468.00ptと連日で過去最高値を更新した。
16日の香港株式市場は方向感に乏しい展開を想定。中国当局の規制への警戒が続くと予想される中、日本時間11:00に発表が予定されている中国の7月主要経済指標の内容を見極めてからの動きとなりそうだ。市場では、各指標とも前月からの伸び率鈍化が見込まれており、発表後に景気対策への期待が高まるかがポイントになりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみ合いか
13日の中国・上海株式市場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比8.4385pt(0.23%)安の3,516.2989ptだった。週明け16日に中国の7月の主要経済指標が発表されるのを前に、足元の中国経済を見極めたいとの様子見気分が根強かった。新型コロナウイルスの中国国内での感染拡大や、当局の産業統制への警戒もくすぶった。世界的な半導体株安に加え、中国当局によるネット規制の強化懸念からハイテク株が安かった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆2971億元と前日(1兆3048億元)からやや減った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで12億3800万元の売り越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)、浙江三花智能控制(ジェイジアン・サンファ・インテリジェント・コントロールズ、002050)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
16日の中国本土市場はもみ合いか。香港市場同様に、日本時間11:00に発表が予定されている中国の7月主要経済指標の内容を見極めてからの動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)