12日の香港株式市場は4営業日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前日比142.34pt(0.53%)安の26,517.82ptだった。前日の米国市場でのナスダック総合株価指数の下落を受け、香港市場でもハイテク銘柄への売りが先行した。朝方は上げる場面もあったが、中国当局による規制強化への懸念が続き、投資家がリスク回避の売りに動いた。ハイテク関連銘柄は軒並み安。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は同1.48%安だった。香港メーンボードの売買代金は1358億香港ドルで、前日から1割近く減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで1億香港ドルの売り越しとなった。
12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸。前日比14ドル88セント(0.04%)高の35,499ドル85セントで終え、連日で過去最高値を更新した。夏場以降に出遅れていたハイテク株に見直し買いが入り、ダウ平均を支えた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動の正常化が遅れるとの懸念がくすぶり、景気敏感株には売りが出た。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比51.127pt(0.3%)高の14,186.262ptで終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は3日続伸し、前日比13.13pt(0.3%)高の4,460.83ptで終え、連日で過去最高値を更新した。
13日の香港株式市場でハンセン指数は小反発を想定。前日の米株高が一定の支援材料になるものの、中国当局の監督強化スタンスへの警戒が上値を抑える流れは継続か。一方で、金融統計など足もとの経済指標が予想を下回る弱い内容となる中、市場関係者の間では、当局が景気の下支えに向けて早期に預金準備率を引き下げる可能性があるとの見方も浮上しているよう。政策の方向性や業績等を考慮しながら個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
景気対策への期待が下支えか
12日の中国・上海株式市場は4営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比7.8839pt(0.22%)安の3,524.7374ptだった。中国当局による規制や規制観測が様々な業界で広がっており、警戒する売りが出た。前日発表の金融統計で融資などの伸びが鈍ったのも買いの手を鈍らせた。時価総額の大きい酒造と銀行がともに売られ、指数を押し下げた。保険・証券と他の金融株も安い。不動産や家電、軍事関連にも売りが優勢だった。半面、自動車が高く、海運や鉄鋼、非鉄金属株も買われた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆3048億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億7700万元の売り越し。個別では、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
13日の中国本土市場は小動きか。各種規制への警戒が上値を抑える一方で、景気対策への期待が下支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)