11日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に3日続伸した。終値は前日比54.54pt(0.20%)高の26,660.16ptと、7月23日以来の高値を付けた。11日の中国・上海株の上昇が投資家心理を支え、これまで株価の低迷が目立っていた中国の不動産株に押し目買いが入った。中国の銀行株や資源株も買われた。一方、前日の米国市場でのハイテク株安を背景に、ハイテク大手は軟調に推移した。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は同0.13%安の6,820.68ptだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1535億香港ドルと、前日(1607億香港ドル)からやや減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで56億3200万香港ドルの買い越しだった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比220ドル30セント(0.6%)高の35,484ドル97セントで終え、連日で過去最高値を更新した。11日朝発表の7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、過度なインフレ懸念が和らいだ。米連邦準備理事会(FRB)が早期にテーパリング(量的緩和の縮小)に動くとの見方が後退し、株の買い安心感が広がった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に続落し、同22.952pt(0.2%)安の14,765.135ptで終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は続伸し、同10.95pt(0.3%)高の4,447.70ptで終え、ダウ平均と同様に連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は、米連邦準備理事会(FRB)による量的金融緩和の早期縮小観測が後退したことを受け、買い先行で始まろう。ただ、米ナスダック総合株価指数が下落したため、大型ハイテクは軟調な動きになることが想定され上値を抑える要因となろう。
(マーケット支援部 床井)
続伸か、好業績や増益見通しを手掛かりに個別銘柄を物色する展開か
11日の中国・上海株式市場は小幅に3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比2.6904pt(0.07%)高の3,532.6213ptだった。7月23日以来の高値となる。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)感染拡大を警戒し売られる場面もあったが、金融緩和など中国当局の追加景気対策への期待が支えとなり、総じて買いが優勢だった。時価総額の大きい銀行が買われ、指数をけん引した。石油や非鉄金属、不動産株も高い。半面、酒造が安い。食品や小売り、医薬株も売られた。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は同0.59%安だった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆2826億元と高水準が続いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで28億1600万元の売り越しだった。個別では、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は続伸か。中国政府が景気を底上げする政策を打ち出すとの期待感から市場は落ち着きを取り戻してきている。好業績や増益見通しを手掛かりに個別銘柄を物色する展開となろう。
(マーケット支援部 床井)