10日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前日比322.22pt(1.22%)高の26,605.62ptと、7月23日以来の高値だった。朝方は下げる場面もあったが、ネット大手への買いが断続的に入り指数を押し上げた。中国本土株への買いも支援材料となり、指数はこの日の高値圏で取引を終えた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は4営業日ぶりに反発し同2.47%高だった。半面、半導体株や公益株が売られた。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1607億香港ドルで、前日から1割近く増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで54億8500万香港ドルの買い越しだった。
10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比162ドル82セント(0.5%)高の35,264ドル67セントと過去最高値を更新して終えた。1兆ドル規模の超党派インフラ投資法案が米議会上院で10日に可決し、景気回復を支えるとの期待が浮上した。素材や資本財など景気敏感株が買われ、指数を押し上げた。ただ、米国を含む世界的な新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大への懸念は続き、ダウ平均は上値が重くなる場面もあった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、同72.090pt(0.5%)安の14,788.087ptで終えた。多くの機関投資家が運用の参照とするS&P500種株価指数は反発し、同4.40pt(0.1%)高の4,436.75ptと過去最高値を更新して終えた。
本日の香港株式市場は続伸か。中国当局の規制強化懸念を背景に売られてきた銘柄の見直し買いの動きが継続しそうだ。ただ、世界的な新型コロナウイルスのインド型の感染拡大への懸念が強く、上値の重さも意識されそうだ。
(マーケット支援部 床井)
経済対策期待で買い先行か
10日の中国・上海株式市場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比35.2961pt(1.01%)高の3,529.9309ptと、心理的な節目の3,500pt台を回復し、7月23日以来約2週間半ぶりの高値を付けた。朝方は中国内外での新型コロナウイルスの感染再拡大を懸念する売りが先行したが、次第に好業績を期待できる銘柄を物色する動きが優勢となった。大型株を中心に買いが入り、指数は午後に上げに転じた。
上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆3441億元と高水準が続いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで10億4200万元の買い越しだった。個別では、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は買い先行か。中国メディアは10日、「今後数四半期内をめどに預金準備率引き下げのほか、利下げの可能性もある」と専門家の話として報じた。足もとの経済指標下振れを背景に、景気先行き不安が強まる中、当局は景気腰折れを回避するため、一段の景気テコ入れ策を打ち出すとの見方が広がっている。新型コロナウイルス感染が中国内外で再拡大していることを不安視する売りもみられそうだが、下値は堅調に推移しよう。
(マーケット支援部 床井)