5日の香港株式市場は反落。ハンセン指数の終値は前日比221.86pt(0.83%)安の26,204.69ptだった。朝方は小高い場面もあったが、中国の規制強化への警戒は根強く、次第に売りに押された。テンセント(00700)などネット大手が午後に一段安となり、相場下落を主導した。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比2.10%安。香港メーンボードの売買代金は1617億香港ドルと、前日から小幅に減り、約2週間ぶりの低水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで11億5600万香港ドルの売り越しだった。
5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比271ドル58セント(0.8%)高の35,064ドル25セントで終えた。前日は新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して300ドルあまり下げたが、経済再開の流れは変わらないとの見方から景気敏感株を中心に買い直された。米長期金利の低下が一服したのも投資家心理を上向けた。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比114.584pt(0.8%)高の14,895.117ptと、7月26日以来の過去最高値を更新。機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は反発し、前日比26.44pt高の4,429.10ptと2営業日ぶりに過去最高値を更新した。
6日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。米国市場ではテンセント(00700)やアリババ集団(09988)のADRが香港市場比でプラスとなっており、ネット・ゲーム関連銘柄に売り一巡感が出る可能性があろう。また、2021年4~6月期の純利益が前年同期比5倍になったと発表した中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)など、好業績銘柄を選別物色する動きも強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しいか
5日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比10.6695pt(0.30%)安の3,466.5491ptだった。中国国内で感染力の強い新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大が報じられ、中国経済の先行き不透明感から投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。白酒が安く、非鉄金属株や証券、海運、ソフトウエア株が下落した。深セン市場では、時価総額の大きい車載電池の寧徳時代新能源科技(CATL、300750)や電気自動車の比亜迪(BYD、002594)が売られた。半面、軍需関連株や不動産株が堅調だった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆2908億元と、前日から小幅に増加した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで19億6500万元の売り越し。個別では、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが売り越しとなった。
6日の中国本土市場は方向感に乏しいか。押し目買いの動きも想定される中、新型コロナウイルス変異種(デルタ株)感染拡大懸念が上値を抑えよう。好業績銘柄を選別物色する動きが中心となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)