4日の香港株式市場は反発した。ハンセン指数の終値は前日比231.73pt(0.88%)高の26,426.55ptだった。4日発表された7月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から改善し、中国経済の減速懸念が和らいだ。官製メディアによる批判記事を受けて前日に急落したテンセント(00700)が買われるなど、ハイテク銘柄の上昇が目立った。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は大幅に反発し、同2.43%高だった。また、中国国務院(政府)がスポーツ産業の促進策を公表したことを材料に、スポーツアパレル株も買われた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで25億200万香港ドルの買い越しだった。香港メーンボードの売買代金は1684億香港ドルと、前日から2割弱減った。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比323ドル73セント(0.9%)安の34,792ドル67セントで終えた。取引開始前に発表された民間の米雇用指標が市場予想を大幅に下回り、雇用回復の遅れが警戒された。米長期金利の低下も投資家に景気減速を意識させ、景気敏感株が売られた。一方、長期金利の低下で相対的な割高感が薄れるとして、高PER(株価収益率)の主力ハイテク株の一角には買いが入った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同19.238pt(0.1%)高の14,780.533ptで終えた。
本日の香港株式市場は反落か。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が下落した流れを受け、売り優勢となりそうだ。ただ、下値の堅さが確認されれば、押し目待ちの買いが入ろう。
(マーケット支援部 床井)
上値の重い展開か
4日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比29.2272pt(0.84%)高の3,477.2186ptと、約2週間ぶりの高値だった。小安く始まったが、朝方発表の中国の非製造業の景況感が民間版で改善し、中国景気の先行き不安がいったん和らいだ。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は同2.66%高だった。深セン総合指数は同1.71%高。新興企業向け市場の「創業板」指数は同2.47%高で、約6年ぶりの高値を付けた。上海と深セン市場の合計売買代金は1兆2890億元で、前日から1割近く減った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで55億4500万元の買い越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、立訊精密工業(ラクスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は上値の重い展開か。国内で新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大への警戒感から、上値が抑えられそうだ。
(マーケット支援部 床井)