2日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前週末比274.77pt(1.05%)高の26,235.80ptだった。指数は前週に週間で5%近く下落していたため、不動産や金融株を中心に値ごろ感を意識した買いが優勢となった。もっとも、米中の両規制当局による中国企業への規制強化懸念は根強く、指数の上値を抑えた。7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は民間版・政府版ともに前月から悪化し、中国経済の先行き不透明感も相場の重荷となった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も小幅に反発し、同0.22%高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は成約ベースで8億6900万香港ドルの売り越し。香港メーンボードの売買代金は1669億香港ドルと、前週末から1割ほど減った。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前週末比97ドル31セント(0.3%)安の34,838ドル16セントで終えた。欧州の株高などを受けて買いが先行したが、米長期金利が低下すると景気減速の懸念が強まり、景気敏感株を中心に売りが広がった。長期金利は正午頃に前週末比0.07%低い1.15%まで下げる場面があった。米国では新型コロナウイルスのワクチンを接種済みの人にも感染が広がり、集団免疫の獲得には時間がかかるとの見方の強まりから景気減速を見越した債券買いが優勢となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反発し、前週末比8.391pt(0.1%)高の14,681.069ptで終えた。
3日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合いか。7月のPMIの低迷を受け、市場では当局が景気テコ入れ策を強めるとの見方が広がっているようで、中国の経済対策への期待が支えとなりそうだ。本日はアリババ集団(09988)が第1四半期決算を発表する予定。中国当局による規制の影響など、注目を集めそうだ。
(マーケット支援部 井上)
政策関連を選別物色する流れが継続か
2日の中国・上海株式市場は反発。上海総合指数の終値は前週末比66.9280pt(1.97%)高の3,464.2854ptと、前週末に割り込んだ心理的な節目の3,400pt台を再び回復した。指数が前週に週間で4%超下落し、値ごろ感が強まった。朝方に7月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表を終えると悪材料出尽くし感が広がり、人気銘柄を中心に買いが広がった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆5128億元と前週末(1兆3396億元)から1割強増えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで51億8400万元の買い越し。個別では、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しだった。
3日の中国本土市場は小確りの展開か。7月30日開催の中国共産党の中央政治局会議で言及された政策の方向性と関連セクター・銘柄の選別物色が進む流れが継続か。新エネ車の発展では、上海璞泰来新能源科技(603659)、国軒高科(002074)、農村部のEC及び宅配・物流システムの推進では順豊控股(002352)、カーボンニュートラル(新エネ)の推進では隆基緑能科技(601012)、特変電工(600089)、「三人っ子」政策の着実な実施では内蒙古伊利実業集団(600887)などに注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)