29日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前日比841.44pt(3.30%)高の26,315.32ptだった。前日の米ハイテク株高を受けて、朝方から香港市場でもハイテク銘柄への買いが優勢だった。 中国当局が、自国企業の海外上場などこれまで打ち出してきた規制に相次いで配慮する姿勢をみせたとの受け止めも広がり、今後の規制強化への懸念がひとまず後退した。これが投資家の買い戻しを誘い、指数は午後に一段高となった。香港メーンボードの売買代金は2541億香港ドルで、前日から1割近く減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで46億1700万香港ドルの売り越しだった。
29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比153ドル60セント(0.4%)高の35,084ドル53セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が早期にテーパリング(量的緩和の縮小)に動くとの観測が後退し、株式市場に資金流入が続くとみた買いが優勢となった。相対的に売られていた景気敏感株が買い直され、指数を押し上げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比15.680pt(0.1%)高の14,778.264ptで終えた。
30日の香港株式市場でハンセン指数は確りの展開か。中国当局の規制強化への懸念後退を背景にした戻り相場が継続しよう。ハンセン指数は250日移動平均線が位置する27,200pt近辺が戻りの目途として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開か
29日の中国・上海株式市場は5営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前日比50.1345pt(1.49%)高の3,411.7240ptだった。中国の証券規制当局と投資銀行幹部が28日夜に会談したと伝わり、中国当局が教育産業や中国企業の海外上場規制などに対する市場の懸念払拭に動いているとの受け止めが広がった。人民元安の一服や、海外投資家による中国本土株買いの動きも投資家心理を改善させた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆2494億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで42億2800万元の買い越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、北京東方雨虹防水技術(ベイジン・オリエンタル・ユーホン・ウォータープルーフ・テクノロジー、002271)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)などが売り越しとなった。
30日の中国本土市場は堅調な展開を想定。中国当局が市場の懸念払拭に動いていることを好感する流れが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)