27日の香港株式市場は大幅に3日続落した。ハンセン指数の終値は前日比1,105.89pt(4.22%)安の25,086.43ptだった。2020年11月4日以来およそ8カ月半ぶりの安値を付けた。中国当局による規制強化への懸念がくすぶるなか、前日に続き中国大手ネット株を中心に売りが膨らんだ。午後に一段安となり、一時は5.5%安まで下げた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も大幅に3日続落し、同7.97%安の6,249.65ptで終えた。20年7月27日に指数の算出・公表を開始して以降の安値を更新した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで12億7500万香港ドルの売り越しだった。香港メーンボードの売買代金は3606億香港ドルと前日から3割超増え、過去最高を更新した。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比85ドル79セント(0.2%)安の35,058ドル52セントで終えた。前日まで連日で過去最高値を更新し、目先の利益を確定する売りが優勢だった。中国政府がインターネット企業への規制を強化する中、香港株と上海株が大幅安になったのも投資家心理の重荷だった。また、新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大で世界経済の先行き懸念が強まったことも、投資家がリスクを取る姿勢を後退させた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、同180.137pt(1.2%)安の14,660.576ptで終えた。
本日の香港株式市場は軟調か。中国当局による規制強化の影響が大きく、今後締め付けが他のセクターにも広がるのかが懸念材料になっている中、押し目買い機運は盛り上がらず、下値模索が続く展開を予想する。
(マーケット支援部 床井)
軟調な展開が続こう
27日の中国・上海株式市場は3日続落した。上海総合指数の終値は前日比86.2576pt(2.48%)安の3,381.1833ptと、心理的な節目の3,400を下回り、3月25日以来およそ4カ月ぶりの安値を付けた。朝方は前日の下落の反動で買いが優勢となったが、27日の香港株が下げ止まらず、中国株からの資金流出懸念が強まった。当局による規制強化への懸念も重なり、指数は次第に下げ幅を広げた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで41億7200万元の売り越しだった。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買われ、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆5341億元と大商いが続いた。
本日の中国本土株式市場は引き続き軟調な展開か。中国当局の規制強化を背景に投資家心理が悪化している。運用リスクを回避する目的の下げは中国株から人民元にも広がっており、足元、人民元は約3カ月ぶりの安値を付けた。買い意欲が盛り上がらず軟調な展開が続こう。
(マーケット支援部 床井)