7日の香港株式市場でハンセン指数は7日続落した。終値は前日比112.24pt(0.39%)安の27,960.62ptと、心理的な節目の28,000ptを割り込み、5月13日以来およそ1カ月半ぶりの安値を付けた。中国当局による規制強化懸念から時価総額の大きな中国のネット大手が売られた。これまで上昇が目立っていた資源株に利益確定売りが出たことも足を引っ張り、指数は終日、軟調に推移した。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同0.56%安の7,603.77ptだった。中国当局が米上場の中国企業の規制強化方針を示し、米国に重複上場するネット株が売られた。半面、中国の規制で香港市場が米上場の中国企業の受け皿になるとの思惑も強まり、香港取引所(ホンコン・エクスチェンジズ・アンド・クリアリング、00388)が急伸した。前日に売られた中国の医薬品株も急伸。自動車など消費関連の一角も買われた。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1565億香港ドルと前日(1448億香港ドル)から1割弱増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで17億8000万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比104ドル42セント(0.3%)高の34,681ドル79セントで終えた。米長期金利が4カ月半ぶりの水準に低下し、長期金利が低下すると買われやすい主力ハイテク株が上げを主導した。午後に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて金融緩和の長期化観測が強まると、ダウ平均は上げ幅をじりじりと広げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に4日続伸し、同1.423pt(0.01%)高の14,665.063ptと過去最高値を連日で更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は反発し、同14.59pt(0.3%)高の4,358.13ptと2日ぶりに過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は、前日の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを受け、買い先行のスタートとなろう。ただ、中国のテック企業は、中国当局による統制強化で事業環境の先行きの不透明感がぬぐえない状況となっており、上値の重い展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
底堅く推移か
7日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比23.4566pt(0.66%)高の3,553.7155ptだった。香港とのストックコネクト取引を通じた海外投資家による本土株買いが目立ち、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。政策期待を背景にリチウムなどの素材株が買われた。午後に入ると一段高となり、指数はこの日の高値圏で終えた。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は大幅に反発し、同2.42%高だった。深セン株式市場の総合指数は同1.67%高、新興企業が主体の創業板指数は同3.57%高となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆504億元と前日から約6%減ったが、節目の1兆元を5日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで43億7200万元の買い越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は堅調な展開か。前日の米国家安全保障会議で米高官が「米中首脳がそう遠くない時期に接触する」ことに期待を示した。また、中国国務院(内閣に相当)は7日、銀行預金準備率の引き下げを含む金融政策手段を適時に活用し、中小企業を中心とする実体経済への金融支援を一段と強化すると発表した。地合いの改善が予想され、上海総合指数は3,500pt近辺が下値メドとなろう。
(マーケット支援部 床井)