6日の香港株式相場は6日続落した。ハンセン指数の終値は前日比70.64pt(0.25%)安の28,072.86ptだった。5月14日以来およそ1カ月半ぶりの安値を付けた。中国政府によるネット大手への規制強化懸念は根強く、ハイテク銘柄を中心に売りが出た。中国の医薬品規制当局が臨床試験のガイダンスを公表し、コスト増につながるとの見方から医薬品関連株が総じて売られたのも、相場を押し下げた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は5日続落し、前日比0.84%安だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで15億6900万香港ドルの売り越しだった。香港メーンボードの売買代金は1448億香港ドルと、前日から1割超減った。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、連休前の2日に比べ208ドル98セント(0.6%)安の34,577ドル37セントで終えた。6月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が低下し、米景気回復がピークアウトしつつあるとの見方が浮上。金融や資本財など景気敏感株に売りが出た。ダウ平均は前週末に過去最高値を更新し、利益確定の売りも出やすかった。半面、金利低下の局面で買われやすい高PER(株価収益率)のハイテク銘柄は底堅く、相場を下支えした。中国政府が海外に上場する自国企業への規制強化を打ち出し、中国株の米預託証券(ADR)への売りが目立った。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前週末24.315pt(0.2%)高の14,663.640ドルと過去最高値を連日で更新した。
本日の香港株式市場は続落か。前日に発表となった欧米の経済指標が市場予想を下回る結果だったことから、世界的な景気回復が鈍化する懸念が広がっている。また中国政府が企業への規制強化を発表したことも相場を下押ししそうだ。ハンセン指数は下値を固められるかがポイントとなろう。
(マーケット支援部 床井)
続落か、海外で上場する中国企業への規制強化を発表
6日の中国・上海株式相場は小反落した。上海総合指数の終値は前日比4.0633pt(0.11%)安の3,530.2589ptだった。中国当局による産業や資本市場の規制強化を警戒する売りが優勢となった。医療などバイオ株の急落を背景にハイテク株が売られたことも地合いを冷やした。上海の新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」の終値は前日比2.73%安の1,532.7917pt、深センの新興企業向け市場の創業板指数は同1.79%安の3,291.987ptでそれぞれ終えた。臨床試験(治験)をめぐる規制強化懸念から医薬品株が急落した。また、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)が資本市場の無秩序な拡大を防止するとの姿勢を示したと伝わったことも、投資家心理の重荷となった。自動車株や観光株が軒並み売られた。半面、国際原油先物相場の先高観を背景に石油株は堅調だった。個別の企業の6月の販売堅調を背景に不動産株が大幅高。金融株も上げた。深セン総合指数の終値は同0.32%安の2,406.590ptだった。江蘇省の国有企業からの出資受け入れを発表した小売りの蘇寧易購集団(スーニン・ドット・コム、002024)は急伸した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで6000万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆1200億元と前日(1兆60億元)から1割増えた。
本日の中国本土株式市場は続落か。中国政府が、海外で上場する中国企業への規制強化を発表した。上場した企業のデータが米国政府に流出することへの懸念も背景にあるようだ。投資家にとっては国家統制はリスクの1つともなるため、売り圧力が強まりそうだ。
(マーケット支援部 床井)