5日の香港株式市場は5日続落。ハンセン指数の終値は前週末比166.92pt(0.58%)安の28,143.50ptと、およそ1カ月半ぶりの安値だった。朝方は小高い場面もあったが、中国ネット当局による中国配車アプリ、滴滴出行(ディディ)への規制で他のネット大手の事業環境も悪化するとの見方が強まり、売りが出た。財新などが5日発表した6月の中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化も中国景気の先行き懸念を強め、相場を下押しした。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前週末比2.3%安。香港メーンボードの売買代金は前週末比6%減の1653億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで108億6700万香港ドルの売り越しだった。
6日の香港市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開か。前日の米株式市場は米独立記念日の振り替え休日で休場。5日の欧州の主要株価指数の上昇は投資家心理を支えそうだが、中国当局によるネット企業取り締まりの動きが上値を抑えそうだ。昨日100億香港ドル超の売り越しとなったストックコネクト・サウスバウンド取引だが、うちネット大手テンセント(00700)の売り越し額が70億香港ドル超となった。同社株価は一時昨年12月以来の550香港ドル割れとなるなど軟調な展開となっている。本日もその動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
人民元やストックコネクト取引を通じた海外投資家の売買動向等がポイントに
5日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比15.5627pt(0.44%)高の3,534.3222ptだった。商品相場の上昇を背景に、リチウムを中心とした非鉄金属株が軒並み大幅高となり、相場をけん引した。香港とのストックコネクト取引を通じた海外投資家による本土株買いも目立った。一方で、5日発表の6月の財新中国非製造業PMIは前月から大幅に悪化し、2020年4月以来の低水準にとどまったことを受け、中国景気の回復ペースが鈍化するとの懸念が相場の上値を抑えた。深セン株式市場の総合指数は前週末比0.73%高、新興企業が主体の創業板指数は同0.54%高となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆60億元と前週末から小幅に増え、節目の1兆元を3日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで59億1900万元の買い越し。個別では、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
6日の中国本土市場は香港市場同様に方向感に乏しい展開を想定。昨日3,500pt台を維持した上海総合指数だが、本日も押し目買いに支えられる展開が期待されよう。人民元やストックコネクト取引を通じた海外投資家の売買動向等がポイントとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)