29日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前日比274.20pt(0.93%)安の28,994.10ptだった。小高く始まったものの、日本や韓国株相場の下落で投資家心理が悪化しており、次第に売りに押された。30日に6月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)などの発表を控え、投資家の様子見姿勢も強かった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同0.91%安だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで9億9700万香港ドルの売り越しだった。
29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前日比9ドル02セント高の34,292ドル29セントで終えた。米景気回復を示す経済指標の発表を受け、消費関連株が買われた。米長期金利が心理的節目1.5%を下回って推移し、高PER(株価収益率)銘柄のハイテク株の一角も上昇した。ただ、ダウ平均は過去最高値圏にあり、利益確定の売りも出て上値は重かった。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比27.827pt(0.2%)高い14,528.335ptと連日で過去最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は4日続伸し、同1.19pt高の4,291.80ptと連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は上値の重い展開か。日本時間10時に6月の中国製造業・非製造業の購買担当者景気指数(PMI)の発表がある。中国景気の鈍化を示唆する内容となれば香港株にとって重荷となろう。
(マーケット支援部 床井)
本日、明日はストックコネクト・ノースバウンド取引(香港⇒中国本土)は受付不可
29日の中国・上海株式市場は続落した。上海総合指数の終値は前日比33.1943pt(0.92%)安の3,573.1779ptだった。30日に6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表を控えて投資家の様子見姿勢が強まる中、持ち高調整目的の売りが優勢となった。時価総額の大きい大型株への売りが目立った。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は同0.05%安だった。深セン株式市場の総合指数は同0.90%安、新興企業が主体の創業板指数は同0.19%安となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで31億3900万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。上海と深セン市場の売買代金は合計で9974億元と、前日から約2%減った。6月17日以来8営業日ぶりに節目の1兆元を下回った。
本日は、現地取引ルールによりストックコネクト・ノースバウンド取引(香港⇒中国本土)は受付不可となる。
(マーケット支援部 床井)