28日の香港株式市場は4営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前週末比19.92pt(0.06%)安の29,268.30ptだった。前週末の米ダウ工業株30種平均の上昇を受けて香港市場でも買いが先行したが、短期的な過熱感も根強く、次第に売りに押された。節目の29,000pt台は維持した。暴雨警報の発令で、香港取引所は午前の取引を中止。取引時間は現地時間13時30分から16時過ぎの2時間半ほどに短縮された。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前週末比0.49%高で、約4週ぶりの高値だった。香港メーンボードの売買代金は同35%減の1015億香港ドルと、取引時間の短縮が響いた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億9300万香港ドルの売り越しだった。
28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比150ドル57セント(0.4%)安の34,283ドル27セントで取引を終えた。ダウ平均は5月につけた過去最高値に迫っており、足元で上昇が目立っていた景気敏感株に利益確定売りが膨らんだ。一方、米長期金利は低下し、ハイテク株など高PER銘柄には買いが入り、指数を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比140.120pt(1.0%)高の14,500.508ptと、過去最高値を更新。S&P500種株価指数は3日続伸し、前週末比9.91pt(0.2%)高の4,290.61ptで終え、前週末に続き過去最高値を更新した。
29日の香港株式市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開か。ハイテク株を中心に基本的には底堅い動きが想定されるものの、明日30日に中国の6月製造業・非製造業PMIの発表を控えていることや明後日7月1日は香港特別行政区成立記念日で休場となることから、徐々に様子見ムードが強まる可能性も高いと思われる。ハンセン指数は29,000ptを挟み方向感に乏しい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感を探る展開か
28日の中国・上海株式市場は6営業日ぶりに小反落した。上海総合指数の終値は前週末比1.1896pt(0.03%)安の3,606.3722ptだった。中国の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表を30日に控え、足元の中国経済の動向を見極めたいとの様子見気分が強まった。大型株が軒並み売られ、指数は心理的な節目の3,600ptを下回る場面もあった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆174億元と前週末(1兆544億元)からやや減った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで40億5600万元の売り越し。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しだった。
29日の中国本土市場はもみ合いか。明日のPMIの発表を前に、景気敏感株を中心に持ち高調整の売りが先行しそうな一方で、ハイテク株には物色の矛先が向かいやすい展開か。昨日売り越しとなったストックコネクト取引の動向などを睨みながら、方向感を探る動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)