27日の香港株式市場は小幅に反落。ハンセン指数の終値は前日比52.81pt(0.18%)安の29,113.20ptだった。前日に心理的節目の29,000pt台を回復したとあって、朝方から短期的な利益確定目的の売りが先行した。中国当局による規制強化懸念を背景に、指数への寄与度の大きい中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)が売られ、相場の下げを主導した。香港メーンボードの売買代金は2505億香港ドルと前日から5割強増え、4月8日以来の高水準となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで8億1100万香港ドルの売り越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比141ドル59セント(0.4%)高の34,464ドル64セントで終えた。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想より少なかったことが、雇用回復が続いているとの観測を後押しし、景気敏感株を中心に買いが優勢となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小反落し、前日比1.720pt安の13,736.276ptで終えた。
28日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。27日の米株式市場でダウ工業株30種平均が上昇した流れを受け、香港市場でも買いが先行しよう。景気敏感株を中心に物色が向かう展開が想定され、ハンセン指数は4月29日の戻り高値29,405pt更新を目指す動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
海外投資家に人気が高い銘柄に注目が集まろう
27日の中国・上海株式市場は4日続伸した。上海総合指数の終値は前日比15.4937pt(0.43%)高の3,608.8507ptと、心理的な節目の3,600ptを上回り、およそ3カ月ぶりの高値を付けた。海外からの資金流入観測が根強く、先行きの相場上昇を期待する買いが優勢となった。これまで売りが目立っていたハイテク株に押し目買いが入り、指数を支えた。対米ドルの人民元相場が27日に一時1ドル=6.37元台と3年ぶりの元高水準に上昇。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9396億元だった。香港とのストックコネクト取引を通じた海外投資家の売買も140億元超の大幅な買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
28日の中国本土市場は堅調な展開か。好調な外部環境を背景にストックコネクト取引を通じた海外投資家の買い越し基調は続くと思われ、海外投資家に人気が高いとされる銘柄の動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)