21日の香港株式相場は小幅に反発した。ハンセン指数の終値は前日比8.15pt(0.02%)高の28,458.44ptだった。日中は軟調な場面が目立ったが、大引け間際に切り返した。もっとも中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)の大幅安が投資家心理を冷やし、指数の上値を抑えた。中国本土銘柄で構成するハンセン中国企業指数は0.6%高とハンセン指数の上昇率を上回った。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は1.4%高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで20億4600万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比123ドル69セント(0.4%)高の34,207ドル84セントで終えた。欧米の企業景況感が改善し、景気敏感株を中心に買いが優勢だった。上げ幅は一時300ドルを超えた。ただ、暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が下落するとハイテク株は売り優勢となり、ダウ平均も午後に掛けて伸び悩んだ。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比64.746pt(0.5%)安の13,470.993ptで終えた。
本日の香港株式市場は、21日の米株式市場でナスダック総合株価指数が下落したことを受け、ハイテク株に売りが出そうだ。ただ、21日に発表された5月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が米国は前月から上昇し過去最高となったことを背景にダウ平均は続伸した。香港市場でも景気敏感株が買われて相場を下支えする展開となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
小幅レンジでのもみ合いか
21日の中国・上海株式相場は3日続落した。上海総合指数の終値は前日比20.3875pt(0.58%)安の3,486.5569ptと、心理的な節目の3,500ptを割り込み、13日以来およそ1週間ぶりの安値を付けた。中国国内の新規の材料に乏しいなか、この日の香港株の下落などで投資家心理が悪化した。前日に買われた金融株など大型株を中心に持ち高調整の売りが広がった。上海の新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」の終値は1.09%安の1315.2065。香港から中国本土に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで5億7800万元の売り越しだった。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イ-ビン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ-・インダストリアル、600887)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、21日の米ハイテク株安が嫌気されることになりそうだ。ただ、そのほかには売る材料も見当たらないため、前週末の終値を挟み小幅レンジでのもみ合いとなりそうだ。
(マーケット支援部 床井)