20日の香港株式相場は4営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前営業日の18日に比べ143.52pt(0.5%)安の28,450.29ptだった。19日の米株安や、20日の他のアジア株相場が弱含んだ流れを受け、香港の主力株にも売りが波及した。一方、ネット大手は買われた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は1.3%高で、およそ2週間ぶりの高値を付けた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで53億8100万HKドルの買い越しだった。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比188ドル11セント(0.6%)高の34,084ドル15セントで終えた。米長期金利が低下し、高PER(株価収益率)のハイテク株が買われて相場上昇をけん引した。前日に急落した暗号資産(仮想通貨)のビットコインが反発し、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らいだ面もあった。また、朝方発表の米新規失業保険申請件数は44万4000件と前週から減り、市場予想より少なかった。米景気回復が意識され、景気敏感株の一角に買いが入った。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比236.002pt(1.8%)高の13,535.739ptで終えた。
本日の香港株式市場は前日の米株式市場の上昇と米長期金利の上昇一服を受け、ハイテク株を中心に買いが優勢になりそうだ。ただ暗号資産を巡って相場はなお不安定で、買い一巡後は上値の重い展開も想定されよう。
(マーケット支援部 床井)
買い一巡後はもみ合いの展開か
20日の中国・上海株式相場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比4.0203pt(0.11%)安の3,506.9444ptだった。中国当局が商品相場の上昇を警戒していると伝わり、このところ上昇が目立っていた資源株や素材株を中心に短期的な利益確定目的の売りが膨らんだ。石油や石炭、非鉄金属、鉄鋼株が軒並み大幅安となった。半面、午後に入って金融や酒造など大型株の一角が買われると、上海総合指数は上げに転じる場面もあった。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は続伸し、0.27%高で終えた。深セン株式市場の総合指数は0.12%高、新興企業が主体の創業板指数は0.92%高だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで15億2500万元の売り越しだった。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ-・インダストリアル、600887)などが買い越しとなり、歌爾(ゴーテック、002241)、順豊控股(S.F.ホールディング、002352)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は、前日の米国株式市場の上昇を受けて、小幅に上昇した後模様眺めとなりそうだ。中国国内には目立った手がかりがなく、大きな方向性は出にくいと見られる。買い一巡後はもみ合いの展開となろう。
(マーケット支援部 床井)