17日の香港株式市場でハンセン指数は続伸。終値は前週末比166.52pt(0.59%)高の28,194.09ptだった。前週末の米国市場でハイテク株が買われた流れを受け、ハイテク大手に買いが入った。朝方発表の中国の4月主要経済指標が「総じて堅調な内容だった」と受け止められるなか、中国の投資家がリスク選好姿勢を強めて香港株投資に積極的になるとの期待も相場を押し上げた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は前日比1.77%高の7,699.96ptだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで84億5600万香港ドルの買い越しとなり、週内に四半期決算の発表を予定するテンセント(00700)が30億香港ドル超の大幅買い越しとなった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比54ドル34セント(0.2%)安の34,327ドル79セントで終えた。インフレ懸念を背景に米長期金利の先高観が根強く、金利上昇局面で相対的に割高感が意識されやすい高PERのハイテク株を中心に売りが優勢だった。投資家心理を測る米株の変動性指数(VIX)が一時21台半ばまで上昇。想定以上に物価が上昇し、米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策の見直し時期を早める可能性が意識された。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比50.930pt(0.4%)安の13,379.048ptで終えた。
18日の香港株式市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開か。前日の米株式市場がハイテク株を中心に売られて下落しており、売り先行のスタートとなりそうだ。香港市場は明日、仏誕節で休場となるため、様子見ムードの強まりにも留意が必要か。昨日発表された中国の主要経済指標では、小売売上高や鉱工業生産などの伸びが市場予想を下回った。経済回復ペースの鈍化はマイナスだが、インフレ高進の警戒感はやや薄らぐ内容と言え、足もと金利上昇に敏感となっている株式市場にとってはプラス面の大きい結果と捉えられよう。本日は、網易(ネットイース、09999)、百度集団(バイドゥ、09888)が取引終了後に決算発表を予定している。
(マーケット支援部 井上)
現地投資家の投資マインドの回復度合いが鍵となりそうだ
17日の中国・上海株式相場は続伸した。上海総合指数の終値は前週末比27.2396pt(0.78%)高の3,517.6158ptだった。節目となる3,500ptを回復し、約2カ月半ぶりの高値を付けた。酒造株が高く、半導体関連や医薬、非鉄金属、バッテリー関連株などの上げも目立った。上海と深セン市場の売買代金は合計で9300億元と、前週末から約3%増えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで25億7800万元の買い越し。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)などが買い越しとなり、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しだった。
18日の中国本土市場は、利益確定売りをこなしながら確りの展開を想定。昨日約2カ月ぶりに3,500pt台を回復した上海総合指数だが、大台維持には足もと増加傾向にある売買代金がポイントになると思われる。本日と明日の2日間はストックコネクトを通じた海外からの投資資金流入がないため、現地投資家の投資マインドの回復度合いが鍵となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)