13日の香港株式市場は反落。ハンセン指数の終値は前日比512.37pt(1.8%)安の27,718.67ptと、約4カ月ぶりの安値になった。12日の米株安に続いて13日の日本、台湾など他のアジア株相場が下落し、香港市場でも主力株に売りが出た。中国当局の金融引き締め懸念も投資家心理を冷やした。ネット大手が売られ、香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は反落し前日比3.3%安と、およそ半年ぶりの安値となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクトサウスバウンド取引は、成約ベースで42億9000万香港ドルの買い越しだった。
13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比433ドル79セント(1.3%)高の34,021ドル45セントで終えた。米長期金利の上昇が一服し、投資家心理が改善した。前日まで売られていた主力ハイテク株に押し目買いが入り、経済活動の正常化への期待で景気敏感株も買われた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反発し、前日比93.307pt(0.7%)高の13,124.988ptで終えた。
14日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式相場が上昇した流れを受け、香港市場でも買いが先行しよう。自律反発狙いの買いも入りやすいと思われ、ハンセン指数は28,000pt回復を目指す動きとなりそうだ。また、決算発表を受け個別銘柄を選別物色する動きも強まろう。中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)が13日発表した2021年1~3月期の純利益は前年同期実績の約2.5倍の1億5800万ドルと好調な内容となった。一方で、中国ネット通販大手のアリババ集団(09988)が発表した2021年1~3月期決算は最終損益が54億7900万元の赤字となり、四半期ベースで14年の上場以来初の最終赤字となった。独占禁止法違反に伴う制裁金の計上が響いた格好だが、市場にはまだ中国規制当局の圧力を警戒する声は残っているようだ。アリババ集団についてはハンセン指数への寄与度の高い銘柄でもあることから、その動向もポイントとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
売り越し続く海外投資家の売買動向に注目が集まろう
13日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比33.2152pt(0.95%)安の3,429.5361ptだった。4月の中国金融統計で現預金総額(M2)や融資の伸びが鈍化し、中国当局による金融引き締めへの警戒感が高まった。市場予想を上回る米消費者物価指数(CPI)の上昇を受けた12日の米株安を受け、13日の主要なアジア株式相場が下落したことも相場の重荷となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で8016億元と、前日から約5%増えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで56億3900万元の売り越し。個別では、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、歌爾(ゴーテック、002241)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)などが売り越しとなった。
14日の中国本土市場は小確りの展開を想定。米国市場が反発した流れが中国本土市場にも波及しよう。足もと3営業日連続で売り越しとなっている海外投資家の売買動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)