12日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日ぶりに反発した。終値は前日比217.23pt(0.77%)高の28,231.04ptだった。ハイテク株への買いが相場全体を支えた。午後には中国・上海株の上昇で買い安心感が広がり、指数はじりじりと上げ幅を拡大した。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は前日比2.76%高の7861.18だった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1609億香港ドルと、前日(1887億香港ドル)から15%減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで98億1000万香港ドルの買い越しだった。
12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比681ドル50セント(2.0%)安の33,587ドル66セントで終えた。12日発表の4月の消費者物価指数(CPI)が市場予想以上に上昇し、米長期金利が1.7%に迫った。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)株が下げ、消費関連や景気敏感株にも売りが広がった。また、投資家心理を測る指標である米株の変動性指数(VIX)は前日比26%高の27.59と、不安心理が高まった状態とされる20を大きく上回った。投資家心理がリスク回避に傾き、株の持ち高を減らす動きが広がった。ダウ平均の下げ幅は一時700ドルを超えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比357.745pt(2.7%)安の13,031.681ptと3月下旬以来の低水準で終えた。
本日の香港株式市場は下値を模索する展開か。前日の米株式市場でインフレ懸念から主要3指数が軒並み続落したことが嫌気されそうだ。ナスダック総合株価指数が前日比2.7%安となったことから、香港株式市場でもハイテク株が売られる動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
軟調スタートも、下値は限られる展開か
12日の中国・上海株式相場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比20.90pt(0.6%)高の3,462.75ptだった。朝方は小幅安で推移したが、長期トレンドを示す200日移動平均線が指数の心理的な支えとして意識され、売り圧力が次第に弱まった。中国景気の先行き期待から主力株が買われ、指数は取引終了にかけて上げ幅を拡大した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで4億2800万元の売り越しだった。個別では、科大訊飛(アイフライテック、002230)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ・インダストリアル、600887)などが買い越しとなり、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は軟調な展開を強いられそうだ。米株式市場が連日大幅続落したことを引き継ぎ、安く始まるとみられる。ただ、中国国内の景気回復のシナリオは崩れておらず、下値は限られる展開か。
(マーケット支援部 床井)