11日の香港株式相場は大幅に3日続落した。ハンセン指数の終値は前日比581.85pt(2.03%)安の28,013.81ptと、3月25日以来およそ1カ月半ぶりの安値を付けた。下落率は3月12日(2.19%安)以来2カ月ぶりの大きさだった。前日の米国市場でハイテク株が大幅安となった流れを引き継ぎ、香港市場でもハイテク株を中心に売りが膨らんだ。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比2.99%安の7,649.68ptと、2020年11月以来半年ぶりの安値を付けた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで49億3300万香港ドルの買い越しだった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続落し、前日比473ドル66セント(1.4%)安の34,269ドル16セントで終えた。米景気回復によるインフレ加速や金利先高観から前日にハイテク株が売られた流れが、消費関連株や景気敏感株にも波及した。ダウ平均の下げ幅は一時667ドルに達した。投資家心理を測る指標である変動性指数(VIX)は一時、前日終値を2割上回る23台後半に上昇した。終値は21.84と不安心理が高まった状態とされる20を上回った。インフレ加速や金利上昇を警戒し、投資家はリスク回避姿勢を強めているようだ。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅続落し、前日比12.432pt(0.1%)安の13,389.426ptと3月末以来の安値で終えた。
本日の香港株式市場は、前日の米株安の流れを受けて香港市場も売りが先行して始まりそうだ。ただ、昨日大きく下げたハイテク株への押し目買いが入り、指数の下支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
底堅い展開か
11日の中国・上海株式相場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比13.8545pt(0.40%)高の3,441.8454ptだった。朝方は世界的なハイテク株安を嫌気する売りが先行したが、中国国内景気の堅調期待が根強いなか景気敏感株に買いが入り、指数は午後に上げに転じた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで47億8100万元の売り越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イ-ビン、000858)などが買い越しとなり、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は底堅い展開か。中国本土では経済成長の持続期待を背景にした買いが指数の下値を支え、底堅く推移すると予想される。また、昨日発表の中国の2020年実施の国勢調査で高齢化の進行が指摘されており、医療関連株にも注目が集まろう。
(マーケット支援部 床井)