29日の香港株式市場で、ハンセン指数は続伸。終値は前日比0.80%高の29,303.26ptだった。ハンセン指数は終日プラス圏で堅調に推移した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和的金融政策の維持が示唆されたことや、バイデン米大統領が施政方針演説で1兆8000億米ドル規模の格差是正計画などを打ち出したことが好感された。上海総合指数が後場に上げ幅を拡大したことも買い安心感につながった。一方、1-3月期決算などを手掛かりに個別物色の動きも見られた。メーンボードの売買代金は概算で1197億4000万香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、労働節(メーデー)連休に伴い取引がなかった。
29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比239ドル98セント(0.7%)高の34,060ドル36セントで取引を終えた。米バイデン政権の経済政策などを材料視し、景気敏感株の一角が買われた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比31.515pt(0.2%)高の14,082.546で終えた。
30日の香港市場でハンセン指数は堅調な展開か。米株式市場の上昇は香港市場にとっても支えとなろう。日本時間午前10時に4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定。市場予想は51.7と、前月の51.9から若干の低下が見込まれている。
(マーケット支援部 井上)
旅行・観光関連銘柄に注目が集まりそう
29日の中国本土株式市場で、上海総合指数は3日続伸。終値は前日比0.52%高の3,474.90ptだった。深セン成分指数も同0.46%高の14,464.08ptと3日続伸した。上海総合指数は小高く寄り付いた後、前場は前日終値を挟んで一進一退の展開。後場に上げ幅を広げ、終値は19日以来8営業日ぶりの高値となった。労働節(メーデー)連休を控えた持ち高調整の売りが重荷だったものの、中国政府の経済政策の恩恵を受けそうなセクターや好業績の銘柄が買われ、相場を押し上げた。上海、深セン両市場の売買代金は概算で8221億9900万元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで50億8800万元の買い越し。個別では、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなり、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
30日の中国本土市場は小じっかりの展開を想定。明日から始まるメーデー連休(5/1~5)の移動客数が2.65億人に達するとの見方が浮上している(交通運輸部による)。従前は2億人程度と見積もられており、これをさらに上回るよう。旅行・観光関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)