27日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に続落し、終値は前日比11.29pt(0.03%)安の28,941.54ptだった。28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に様子見の投資家が多かった。インドなどでの新型コロナウイルスの感染再拡大もあって世界の景気回復が鈍るとの懸念も根強かった。このため労働節(メーデー)に伴う中国の連休が近づき、持ち高調整の売りが優勢となった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1454億香港ドルと、前日(1474億香港ドル)からやや減少した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで8億3500万香港ドルの買い越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前日比3ドル36セント高の33,984ドル93セントで取引を終えた。米長期金利が1.6%台に上昇し、相対的な割高感が意識されるハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄が売られた。半面、銀行や資本財など景気敏感株の一角が買われ、相場を支えた。28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表を前に、持ち高調整の債券売りで長期金利が上昇し、長期金利上昇が利ざや拡大につながる金融株などが買われたほか、原油高を受けて石油株も高かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比48.560pt(0.3%)安の14,090.216ptで終えた。
28日の香港株式市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開を想定。27日の米株式市場では米長期金利の上昇を受け、金融株が買われた一方で、PERの高いハイテク銘柄が売られており、香港市場も同様の展開となれば指数は方向感のつかみづらい動きとなろう。好調な1-3月期決算を発表し、27日の米国市場でADRが前日比4.7%高となったHSBC(00005)が、ハンセン指数の支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
消費拡大キャンペーン前倒しで、消費関連銘柄に注目が集まりそう
27日の中国・上海株式市場は小幅に反発し、上海総合指数の終値は前日比1.4453pt(0.04%)高の3,442.6111ptだった。労働節(メーデー)に伴う大型連休が近づき、白酒株など消費関連株への買いが支えとなった。連休を控えているのは投資家に持ち高調整の売りを促す面もあり、上海株の上値は重く、指数は下げる場面もあった。上海と深センの売買代金は合計で7645億元と、前日から16%減少。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで35億1200万元の買い越しだった。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
28日の中国本土市場は連休前の持ち高調整の売りをこなしながら確りの展開を想定。現地ニュースサイトが、中国商務省は25日、5月から1カ月間、全国規模の消費拡大キャンペーンを実施すると発表したと伝えている。労働節(1日)から始まる5日間の大型連休に合わせ、2012年以降、年後半に行われてきた業界横断的な消費促進キャンペーンを大幅に前倒しするよう。消費関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)