5日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比139.16pt(0.49%)安の28,417.98ptと反落した。米国で金利上昇の警戒感が浮上しているほか、連休明けの6日に取引再開する本土株動向も気がかり材料として意識された。また、インドなど一部の新興国で新型コロナウイルス変異種が感染拡大していることも逆風となった。インドからの入国を禁止しているシンガポール政府は4日、防疫措置の強化を発表。香港との間で実施予定の「トラベルバブル」スキームについて、計画見直しの可能性を検討していることも明らかにした。ただ、全体としては下値を叩くような売りはみられず、経済回復の期待感は根強かった。
5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比97ドル31セント(0.3%)高の34,230ドル34セントで終えた。2週間半ぶりに過去最高値を更新した。商品相場の上昇を受け、景気敏感のエネルギーや素材、資本財関連を中心に買いが優勢になった。米景気の回復観測の高まりも株高を支えた。
本日の香港株式市場は、米ダウ最高値の流れを引き継ぎ、素材や資本財など景気感応度の高い銘柄に買いが先行しそうだ。ただ、7日には米国の雇用統計や中国の貿易統計など主要経済指標の発表が控えており、結果を見極めたいとの思惑が広がれば、上値の重い展開になる可能性もあろう。
(マーケット支援部 床井)
全体としてしっかりの展開か
中国本土株式市場は、メーデー大型連休(1~5日)が終了し、本日より取引が再開される。新型コロナウイルス感染拡大がほぼ収束している中国では、連休中に多くの人が移動し、消費活動も活発化した。中国のメーデー連休中の国内旅行客数は2億3000万人と前年同期の約2倍となったほか、映画の興行収入もメーデー連休としては、過去最高を記録したと伝わった。中国各省が発表した1-3月期GDPについても軒並み改善した模様。景気の先行きも楽観される状況といえ、本日の株式市場は全体としてしっかりの展開か。
(マーケット支援部 床井)