22日の香港株式市場でハンセン指数は反発した。終値は前日比133.42pt(0.46%)高の28,755.34ptだった。前日の米株高を受け、投資家がリスクを取る姿勢を強めた。世界的なハイテク株買いの流れが香港市場にも波及し、ハイテク大手が上昇して指数を支えた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は前日比1.15%高の8,279.74ptと、上昇率はハンセン指数を上回った。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1545億香港ドルと、前日(1543億香港ドル)とほぼ同水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで58億9300万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比321ドル41セント(0.9%)安の33,815ドル90セントで取引を終えた。午前中は前日終値近辺で推移していたが、昼ごろに米政権がキャピタルゲイン課税の税率を大幅に引き上げる方針だと伝わると売りが膨らんだ。ダウ工業株30種平均の下げ幅は一時400ドル超に広がった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比131.805pt(0.9%)安の13,818.413ptで取引を終えた。主力ハイテク株が売られたほか、半導体株の下げも目立った。
23日の香港市場でハンセン指数は反落か。前日の米株式市場で主要3指数が下落しており、香港市場でも投資家のリスク回避姿勢が強まりそうだ。市場には今回バイデン政権が提案したキャピタルゲイン増税は、富裕層が早めに利益確定をしようとする動きを加速させる要因となるとの指摘のほか、今後の投資マインドの悪化を懸念する声もあるよう。海外投資家の動き次第では香港株にも影響がある可能性は留意しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
個別銘柄の選別物色中心の展開か
22日の中国・上海株式相場は3日続落。上海総合指数の終値は前日比7.8160pt(0.22%)安の3,465.1138ptだった。前日の米株高などを背景に投資家が運用リスクをとる姿勢を強め、上海市場でも朝方は買いが先行した。ただ、心理的節目の3,500ptが意識され、徐々に短期的な利益確定目的の売りが優勢となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で7409億元と、前日から小幅に減少した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで15億9700万元の売り越し。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イビン、000858)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、江蘇恒瑞医薬(ジァンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売り越しとなった。
23日の中国本土市場は個別銘柄を選別物色中心の展開か。米国のキャピタルゲイン増税案が伝わったことを受け、海外投資家の売買動向に注目が集まろう。決算発表が本格化してきており、内容を見極めながら個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)