21日の香港株式相場は4日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日に比べ513.81pt(1.8%)安の28,621.92ptだった。前日の米株安に続いてアジア時間21日の米株価指数先物も弱含むなど投資家がリスク回避姿勢を強めた。香港市場でもネット大手などに売りが出た。相場の予想変動率を示すハンセンボラティリティー指数は一時20.49と、約1カ月ぶりの高さまで上昇した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで42億1100万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比316ドル01セント(0.9%)高の34,137ドル31セントで終えた。新型コロナウィルスのワクチン普及への期待から景気敏感株中心に買いが優勢だった。IBMなど好決算を発表した銘柄への買いが強まり、ダウ平均は取引終了にかけ上げ幅を広げた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比163.950pt(1.2%)高の13,950.218ptで終えた。
本日の香港株式市場は反発しそうだ。前日の米主要株価指数が上昇し、香港株も高く始まると見られる。ただ、世界各地でも新型コロナウィルスの感染拡大が続いており、上値追いに対しては慎重となろう。
(マーケット支援部 床井)
上海総合指数は反発を予想、個別銘柄は決算を見極める展開か
21日の中国・上海株式相場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比0.0129pt安の3,472.9298ptだった。世界の新型コロナウィルスの感染者増加に対する懸念から、前日の欧米株やこの日のアジア主要株式相場が下落し、売りが中国本土市場にも波及した。一方、中国の習近平国家主席が米国主催の気候変動サミットに出席するとの発表が伝わると、米中緊張の緩和期待から指数が上げに転じるなど底堅さも目立った。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は前日比0.28%下落した。深セン市場では、深セン総合指数が同0.19%高、中小企業向け市場の「創業板」指数は同0.72%上げた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで10億5700万元の売り越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イビン、000858)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、歌爾(ゴーテック、002241)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、江蘇恒瑞医薬(ジァンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場も香港同様な展開を想定する。個別銘柄に関しては、引き続き決算を手掛かりにした売買となろう。
(マーケット支援部 床井)