20日の香港株式相場は小幅に3日続伸した。ハンセン指数の終値は前日比29.58pt(0.10%)高の29,135.73ptだった。中国の習近平国家主席がアジアを中心に政財界の要人が集まる博鰲(ボーアオ)アジアフォーラムでの演説で、国際協調や国内市場の開放を重視する姿勢を示し、投資家の買い安心感につながった。ただ、米長期金利の上昇懸念を重荷に高PER(株価収益率)のネット関連株が売られ、指数の上値は重かった。ハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は3営業日ぶりに反落し、前日比0.41%安の8,311.69ptだった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1957億香港ドルと、8日以来の高水準。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで53億9100万香港ドルの買い越しだった。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比256ドル33セント(0.8%)安の33,821ドル30セントで終えた。新興国を中心に世界の新型コロナウイルス感染者数の増加基調が続き、世界景気の足を引っ張りかねないとの見方から景気敏感株を中心に売りが広がった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比128.497pt(0.9%)安の13,786.268ptで終えた。
本日の香港株式市場は売り先行も、下値は限定的か。前日の米株式市場が下落した流れを引き継ぎ、売り先行になると見られる。ただ、決算発表シーズンであり、好業績を評価した買いが下値を支えよう。
(マーケット支援部 床井)
売り先行も、下値は堅いか
20日の中国・上海株式相場は3営業日ぶりに小反落した。上海総合指数の終値は前日比4.6058pt(0.13%)安の3,472.9427ptだった。前日の米国市場で米金利上昇懸念などからハイテク株が売られ、上海市場でもハイテク株に売りが波及した。ただ、下値では好業績を期待できる銘柄を中心に押し目買いも目立ち、上海総合指数は前日終値を挟み一進一退する方向感に乏しい展開だった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は8455億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで4億9700万元の売り越しだった。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、貴州茅台酒(グイジョウ・モオタイ、600519)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラクスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、前日の米国株式市場の下落を受け、安く始まると見られる。ただ、中国政府は経済対策を継続していくと強調しており、株価は大きく崩れることはなかろう。
(マーケット支援部 床井)