26日の香港株式市場は6営業日ぶりに反発。ハンセン指数の終値は前日比436.82pt(1.56%)高の28,336.43ptと、節目の28,000pt台を回復した。バイデン米大統領が25日に、4月末までの米国での新型コロナワクチン接種回数の目標を従来の2倍に引き上げた。世界経済をけん引する米景気の回復が早まるとの期待が高まり、香港市場でも投資家心理が上向いた。ハンセン指数は25日までの5営業日で5.1%下げており、自律反発狙いの買いが入りやすかった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も6日ぶりに反発し、前日比2.32%高だった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前日比8%減の1839億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで60億3000万香港ドルの買い越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比453ドル40セント(1.4%)高の33,072ドル88セントと、17日以来となる過去最高値を更新した。米国で新型コロナウイルスのワクチン普及が加速し、経済活動の正常化が進むとの見方が強まった。景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、ダウ平均は取引終了にかけて上げ幅を広げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、前日比161.045pt(1.2%)高の13,138.725ptで終えた。多くの機関投資家が運用の参考とするS&P500種株価指数は前日比65.02pt(1.7%)高の3,974.54ptと過去最高値を更新した。
29日の香港市場でハンセン指数は続伸か。前週末の米株式市場でダウ工業株30種平均が経済活動の正常化期待から最高値を更新したことが、香港市場でも投資家心理の支えとなろう。本日は中国の動画プラットフォーム運営会社、ビリビリ(09626)が香港市場に上場する予定。26日のグレーマーケット価格(上場前の相対取引価格)は、公開価格(808香港ドル)を6.56%下回る755.00香港ドルで引けた。米国ADRも時間外取引の終値が96.60米ドル(香港市場の理論値は750.49香港ドル)となっており、やや盛り上がりに欠ける滑り出しとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
再生可能エネルギー関連銘柄に注目か
26日の中国・上海株式相場は4営業日ぶりに反発。上海総合指数の終値は前日比54.7352pt(1.62%)高の3,418.3267ptだった。米景気の回復期待を背景に前日の米国株やこの日のアジア主要株式相場が上昇した流れが波及した。中国人民銀行(中央銀行)による預金準備率の引き下げ観測も投資家心理を上向かせ、これまで売り込まれていた高PERのハイテク株などを中心に買い戻しが入った。ハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は大幅に反発し、前日比3.02%高となった。深セン市場では、深セン成分指数と中小企業の多い「創業板」指数がそれぞれ同2.59%、同3.36%上昇した。上海と深センの売買代金は合計で7479億元と、前日から11%増加。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで64億3000万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが買い越しとなり、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
29日の中国本土市場は確りの展開か。中国が6月の取引開始を目標に二酸化炭素(CO2)排出量の専門取引所を上海に創設すると伝わった。習近平(シー・ジンピン)国家主席の2060年にCO2排出量を実質ゼロにする目標に向けて金融市場を活用し、脱炭素を加速する動きのようだ。再生可能エネルギー関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)