25日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に5日続落。終値は前日比18.53pt(0.06%)安の27,899.61ptと、1月8日以来およそ2カ月半ぶりの安値を付けた。米中両国での中国企業への規制強化懸念から、時価総額の大きなネット大手に売りが出た。ただ香港や英国の景気敏感株には買いが入り、指数は終日、前日終値を挟み小幅なレンジで一進一退する展開だった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は前日比1.19%安の7,944.80ptと、2020年12月下旬以来およそ3カ月ぶりの安値を付けた。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は2004億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで15億6800万香港ドルの売り越しだった。
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比199ドル42セント(0.6%)高の32,619ドル48セントで取引を終えた。欧州で新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から売りが先行したものの、売り一巡後は米経済の底堅さに着目した買いが景気敏感株を中心に入り、ダウ平均は引けにかけて上げ幅を広げる展開だった。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発し、前日比15.790pt(0.1%)高の12,977.680ptで終えた。
26日の香港市場でハンセン指数は反発か。景気回復期待が強まり、前日の米国株式市場で主要3指数が上昇して終えたことが追い風となりそうだ。香港市場でも景気敏感株中心に買われ、ハンセン指数は28,000pt台回復を目指そう。一方で、米中対立の影響には注意が必要か。25日の米国市場では、百度(バイドゥ、BIDU、09888)のADRが前日比14.47%の下落となった。同社は3/23に香港に回帰上場したばかりであることから、投資家心理への影響が懸念されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
国産ブランド関連が物色される展開も想定しておきたい
25日の中国・上海株式市場は小幅に3日続落した。上海総合指数の終値は前日比3.4691pt(0.10%)安の3,363.5915ptと、10日以来およそ2週間ぶりの安値だった。米証券取引委員会(SEC)が24日に、監査基準を満たさない外国企業を米市場から締め出す規制の導入を始めたと明らかにし、米国の中国企業に対する規制の強化や、24日の米ハイテク株安が警戒され、相場の重荷となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で前日比11%減の6759億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで27億4800万元の買い越し。個別では宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、分衆伝媒信息技術(フォーカス・メディア・インフォメーション・テクノロジー、002027)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
26日の中国本土市場では個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。25日の欧米株式市場では、中国のSNS(交流サイト)で批判が広がったことが不買運動に繋がるとの懸念から、ナイキ(NKE)やアディダス(ADS)などが売られる展開となった。ウイグル問題で欧米諸国による"中国包囲網"が強まり、中国政府が反発姿勢を強める中、中国国内で海外ブランドを忌避する動きは懸念材料となろうが、中国国産ブランドがこれを機に存在感を高めていく可能性もあろう。株式市場では"国産ブランド"関連の銘柄が物色される展開も想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)