24日の香港株式相場は大幅に4日続落した。ハンセン指数の終値は前日比579.24pt(2.03%)安の27,918.14ptと、1月11日以来約2カ月半ぶりの安値となった。欧州などでの新型コロナウイルスの感染拡大やワクチン普及の遅れに対する懸念が広がるなか、香港とマカオ政府も容器に問題が見つかった独ビオンテック社製ワクチンの接種を一時的に停止すると発表し、景気回復に不透明感が強まった。投資家がリスク回避姿勢を強め、幅広い銘柄に売りが優勢となった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比3.06%安の8,040.99ptと、2020年12月29日以来、約3カ月ぶりの安値となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで69億4200万香港ドルの売り越しだった。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比3ドル09セント安の32,420ドル06セントで終えた。欧州景気への懸念で前日に売りが広がった景気敏感株に見直し買いが入り、ダウ平均は大半の時間帯でプラス圏で推移した。ただ、ハイテク株への売りが次第に強まり、取引終了間際に下げに転じた。米国ではコロナワクチンの接種拡大や、追加経済対策による個人消費の押し上げへの期待が根強い。24日は資本財や消費関連などを中心に買いが戻った。ダウ平均は上げ幅を364ドルに広げる場面があったが、その後は伸び悩んだ。ハイテクなどグロース(成長)株に売り圧力が強まり、相場の重荷となった。四半期末が近づき「持ち高調整でハイテク株売りが勢いづいた可能性がある」との指摘もあった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅続落し、前日比265.807pt(2.0%)安の12,961.890ptで終えた。
本日の香港株式市場は自律反発が予想されるも上値の重い展開か。ハンセン指数は前日まで大幅に4営業日続落し、2カ月半ぶりの安値となった。本日は自律反発を見込んだ買いが先行するだろう。だが、コロナの感染再拡大を警戒し、積極的に上値を追う動きは限定的となろう。
本日は、碧桂園HD(カントリー・ガーデン、02007)、中国人寿保険(チャイナ・ライフ・インシュアランス、02628)、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ、02018)、中国海洋石油(CNOOC、00883)、中国移動(チャイナ・モバイル、00941)などが決算発表を予定している。
(マーケット支援部 床井)
自律反発が期待されるも上値の重い展開か
24日の中国・上海株式相場は続落した。上海総合指数の終値は前日比44.4482pt(1.30%)安の3,367.0606ptと、心理的な節目の3400ptを割り込み、10日以来2週間ぶりの安値を付けた。欧州などでの新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気の回復が遅れれば、中国国内景気にも悪影響を及ぼすとの懸念が強まった。海外商品先物相場の下落を嫌気して時価総額の大きな資源・素材株が軒並み安となり、指数を押し下げた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで50億600万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア、002475)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は自律反発が期待されるも上値の重い展開か。前日に心理的節目の3400ptを割り込み、自律反発を狙った買いが入り、反発しそうだ。半面、欧州での新型コロナウイルスの感染力の高い変異型の流行を嫌気し、投資家心理が大きく持ち直すことは見込みにくく、上値は重い展開になりそうだ。
(マーケット支援部 床井)