23日の香港株式市場でハンセン指数は3日続落。終値は前日比387.96pt(1.34%)安の28,497.38ptと、1月29日以来およそ2カ月ぶりの安値を付けた。米国の追加経済対策に伴う国債増発が米長期金利の高止まりにつながるとの警戒が根強く、ハイテク株を中心に売りが広がった。中国本土投資家による香港株投資が振るわなかったことで香港市場からの資金流出懸念も重荷となり、指数は午後に下げ幅を広げた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は前日比2.50%安の8,295.42ptと、約1週ぶりの安値を付けた。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1665億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで43億9900万香港ドルの売り越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比308ドル05セント(0.9%)安の32,423ドル15セントで終えた。欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、世界経済の正常化が遅れると懸念された。資本財や金融など景気敏感株が売られ、最近上昇が続いていた旅行・レジャー関連株も大幅に下げた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比149.845pt(1.1%)安の13,227.697ptで終えた。
24日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。欧州で新型コロナウイルスの再拡大が警戒されるなか、欧米株や原油相場が下落しており、香港市場も売り優勢の展開となりそうだ。ハンセン指数は1月末の安値水準である28,250pt近辺を維持できるかがポイントとなりそうだ。本日は、テンセント(00700)、中国蒙牛乳業(チャイナ・モンニウ・デイリー、02319)、中国石油天然気(ペトロチャイナ、00857)、小米集団(シャオミ、01810)、安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ、02020)が決算発表を予定している。
(マーケット支援部 井上)
海外投資家の売買動向に注目が集まろう
23日の中国・上海株式相場は反落した。上海総合指数の終値は前日比31.9304pt(0.92%)安の3,411.5088ptだった。欧州連合(EU)や米国などは22日、中国での少数民族ウイグル族の不当な扱いが人権侵害にあたるとして中国政府当局者らへの制裁を決めた。中国と欧米諸国との関係悪化を嫌気し、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。海外資金の流出懸念も投資家心理を冷やした。一方で、上海総合指数は心理的節目の3,400ptを下回る場面では押し目買いも入り下げ渋った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで71億8400万元の売り越し。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、順豊控股(S.F.ホールディング、002352)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
24日の中国本土市場はもみ合いか。欧米諸国との関係悪化が警戒視されており、海外投資家の売買動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)