16日の香港株式市場は続伸。ハンセン指数の終値は前日比193.93pt(0.67%)高の29,027.69ptだった。前日の米株高を受け、投資家が運用リスクを取る姿勢を強めた。スマートフォンの小米集団(シャオミ、01810)が同8%高で終えるなど、ハイテク株への買いが目立った。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は大幅に反発し、同3.22%高だった。一方で、香港メーンボードの売買代金は1545億香港ドルと、前日から約20%減少した。週内に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、投資家の様子見姿勢も強かった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで52億6700万香港ドルの買い越しだった。
16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は8営業日ぶりに反落し、前日比127ドル51セント安の32,825ドル95セントで取引を終えた。前日まで7日続伸で2,000ドルあまり上昇し、短期的な過熱感を警戒した利益確定売りが景気敏感株を中心に出た。主力ハイテク株には押し目買いが入り、相場を下支えした。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に続伸し、前日比11.859pt(0.1%)高の13,471.567ptで取引を終了した。
17日の香港株式市場でハンセン指数は小動きか。米国時間17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を前に、利益確定や持ち高調整目的の売りが優勢となろう。一方で、米国で成立した追加経済対策に加え、新型コロナウイルスワクチンの普及などで、世界的な景気回復への期待は続いていると思われ、根強い期待を支えに、香港市場の下値も限られよう。米国市場では、主力ハイテク株の一角がナスダック総合株価指数の上昇をけん引しており、香港市場も同様の展開となれば、小確りとした動きも期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開を想定
16日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比26.7878pt高の3,446.7334ptだった。前日に下落した反動で、自律反発を期待した買いが優勢となったほか、前日に大幅安だった深セン株が持ち直し、投資家心理を支えた。ただ、中国国内の新規の材料は乏しく、積極的に買いを進める動きは限られた。深セン市場では、深セン成分指数の終値が同0.90%高の13,642.954pt、新興企業向け市場の創業板指数が同1.06%高の2,672.117ptと、ともに上海総合指数の上昇率を上回った。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は7354億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで55億7200万元の買い越しとなり、個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越し、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しだった。
17日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。手掛かり材料が乏しい中、方向感のつかみづらい動きとなりそうだ。中国通信機器大手の中興通訊(ZTE、00763、000063)が16日発表した2020年12月期決算は、売上高が前の期比11.8%増の1014億元となり、主力の中国市場で高速通信規格「5G」の通信網の整備が進み、通信用基地局の受注が伸びたことが確認できる内容となった。5G関連銘柄を物色するきっかけとなるか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)