17日の香港株式相場は小幅に3日続伸した。ハンセン指数の終値は前日に比べ6.43pt(0.02%)高の29,034.12ptだった。17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に様子見ムードが強いなか、医薬やハイテクの一角に買いが入った。ハンセン指数は午前に思惑的な売買でもみ合う場面もあったが、午後は小幅な値動きに終始した。ハンセン指数を構成する55銘柄のうち上昇、下落とも26で、横ばいが3。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は続伸し、前日比0.50%高だった。ハンセン指数の構成銘柄以外では、2021年1~3月期の大幅増益見通しを16日夜に発表した中国通信大手の中興通訊(ZTE、00763)が7.4%高で終えた。一方、半導体不足を受けて韓国のサムスン電子がスマートフォン主力機種の生産を暫定的に停止する可能性が取り沙汰されており、同社にも出荷するスマホ光学部品の舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー、02382)は同2.8%安となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで29億4900万香港ドルの買い越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比189ドル42セント(0.6%)高の33,015ドル37セントで終え、初めて33,000pt台に乗せた。米連邦準備理事会(FRB)は17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2023年末まで現行のゼロ金利政策を続けるとの予想を示した。同時に発表した経済見通しでは21年の実質経済成長率を6.5%と、昨年12月の前回予想(4.2%)から大幅に上方修正した。金融緩和の長期化が景気回復と株式市場への資金流入を後押しするとの見方が広がり、米株相場は会合後に一段高となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比53.636pt(0.4%)高の13,525.203ptで終えた。
本日の香港株式市場は米国株式市場でダウが上昇した流れを引き継ぎ高く始まると見られる。ただ、個別銘柄は決算発表を手掛かりとした売買となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
底堅い展開か
17日の中国・上海株式相場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前日比1.1825pt(0.03%)安の3,445.5509ptだった。相場全体を動かすような新規の材料が乏しいなか、業種間の循環物色の流れが続いた。米中外交トップ会談を18日に控え様子見姿勢も強く、小幅なレンジでの動きとなった。ハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」が4営業日ぶりに反発し、前日比1.32%上昇した。深セン市場では、深セン総合指数が同0.99%上げ、中小企業の多い「創業板」指数も同1.19%高となった。香港から中国本土に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億6500万元の買い越しだった。個別では格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イビン、000858)、立訊精密工業(ラックスシェア、002475)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は底堅い展開か。米連邦準備理事会(FRB)が2023年末時点までゼロ金利政策を継続する見通しを維持し、17日の米株式市場でダウ工業株30種平均が最高値を付けた。投資家心理の改善で買いが先行するだろう。
(マーケット支援部 床井)