12日の香港株式市場でハンセン指数は4日ぶりに反落。終値は前日比645.89pt(2.19%)安の28,739.72ptだった。朝方は前日の米株高を好感した買いが先行したが、午後に入り米ナスダック100先物の下落を嫌気しハイテク株に売りが出た。指数は午前に小幅安に転じた後、午後はほぼ一本調子で下げ幅を広げ、この日の安値圏で引けた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も午後に下げに転じ、終値は前日比2.12%安の8,456.43ptだった。米長期金利上昇への警戒が再燃するなか、朝方に上昇していたハイテク大手が相次ぎ下げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで32億500万香港ドルの買い越しだった。
12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比293ドル05セント(0.9%)高の32,778ドル64セントと3日続けて過去最高値を更新した。米政府の追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及による景気回復期待から、恩恵を受ける景気敏感株に買いが入った。ダウ平均の週間の上げ幅は1,282ドルと、昨年11月以来の大きさだった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も4日続伸し、前日比4.00pt(0.1%)高の3,943.34ptと連日で最高値を更新した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比78.808pt(0.6%)安の13,319.865ptで終えた。
15日の香港株式市場でハンセン指数は方向感を探る展開か。前週末12日の米債券市場で長期金利が上昇したことを受けてハイテク株が売られた流れは、先週末の下げでほぼ織り込んだものと考える。本日は日本時間11時に21年1-2月の中国主要経済指標が発表される予定。市場予想は、鉱工業生産が30.0%増(20年12月実績は7.3%増)、小売売上高が32.0%増(同4.6%増)、固定資産投資が40.0%増(20年1-12月実績は2.9%)となっている。前年同期からの反動で大幅な伸びが見込まれているものの、2月のPMIが下落していたこともあり、素直に評価する流れとなるか見極めたいといったムードは強そうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみ合いか。主要経済指標の内容を確認してからの動きとなりそうだ
12日の中国・上海株式市場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比16.2464pt(0.47%)高の3453.0777ptだった。米長期金利の上昇一服が投資家心理を支えた。指数が2020年12月末以来の安値圏にあり、値ごろ感に着目した買いも入りやすかった。ただ、年に一度の重要イベントである全国人民代表大会(国会に相当)が閉幕した直後で新規の材料に乏しく、指数が下げに転じる場面もあった。上海と深センの売買代金は合計で8169億元と前日並み。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで8億2700万元の買い越し。個別では、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)、中国長江電力(チャイナ・ヤンツァー・パワー、600900)などが売り越しとなった。
15日の中国本土市場は、もみ合いか。日本時間11時に発表される主要経済指標の内容を見極めてからの動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)