11日の香港株式相場は3日続伸した。ハンセン指数の終値は前日に比べ478.09pt(1.65%)高の 29,385.61ptだった。10日発表の2月の米消費者物価指数(CPI)を受けて米長期金利上昇への警戒感が和らいだ。10日夕発表の中国の2月金融統計が市場予想を上回ったことも好感され、投資家が運用リスクの選好姿勢を強めた。ハンセン指数を構成する52銘柄のうち36が上昇し、下落は15、横ばいは1。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は大幅に続伸し、5.15%高だった。中国の半導体業界団体が米国と共同ワーキンググループを設置したとの報道を受け、半導体の中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)が急伸した。一方、通信の中国移動(チャイナ・モバイル、00941)と中国聯通(チャイナ・ユニコム、00762)が安い。電子商取引のアリババ集団(09988)、香港不動産の新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ、00016)中国人寿保険(チャイナ・ライフ・インシュアランス、02628)が下落した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで45億2500万香港ドルの買い越しだった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比188ドル57セント(0.6%)高の32,485ドル59セントと連日で過去最高値を更新した。米政府の追加経済対策が11日に成立し、景気回復が勢い付くとの期待から幅広い銘柄が買われた。長期金利上昇が一服し、ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄も買われた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比329.841pt(2.5%)高の1万3398.673で終えた。
本日の香港株式市場は続伸か。米長期金利上昇に対する過度な警戒感が和らぎ、11日の米株式市場では主要3指数ともに上昇した。香港市場でもこの流れを引き継ぎ、堅調の展開となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
米金利上昇一服、ハイテク銘柄押し目買いの展開か
11日の中国・上海株式相場は6営業日ぶりに大幅に反発した。上海総合指数の終値は前日比79.0941pt(2.35%)高の3436.8313ptだった。10日夕に発表された中国の2月の金融統計が市場予想を上回る結果となり、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。指数は前日までの5日続落で6%超下げており、値ごろ感も意識された。このところ売り圧力が強まっていた酒造や環境関連、新興ハイテク株を中心に買い戻された。徐々に上げ幅を広げ、この日の高値で取引を終えた。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は大幅続伸し、2.80%高だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで67億1900万元の買い越しだった。個別では、歌爾(ゴーテック、002241)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、立訊精密工業(ラックスシェア、002475)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は続伸か。米長期金利の上昇一服に伴い、金利上昇が重荷となっていたハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄に押し目買いが入ろう。また、決算発表や業績見通しを手掛かりにした個別物色も活発となろう。
(マーケット支援部 床井)