2日の香港株式市場は続伸。ハンセン指数の終値は前日比355.84pt(1.23%)高の29,248.70ptだった。節目の29,000ptを上回り、1月27日以来の高値だった。1日の米ハイテク株高を好感した買いが香港市場にも波及した。中国人民銀行(中央銀行)が2日、金融市場での公開市場操作(オペ)で、連日で資金供給超としたことも投資家心理の支えとなった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も続伸し、前日比2.15%上げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで173億1900万香港ドルの買い越しだった。
2日の米株式市場は続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比475ドル57セント(1.6%)高の30,687ドル48セントで取引を終えた。ゲーム専門店のゲームストップなど個人投資家の投機的な買いで高騰していた銘柄が大幅続落し、相場が落ち着きを取り戻すとの見方が広がった。追加の米経済対策への期待も根強く、景気敏感株を中心に買いが優勢となった。
本日の香港市場は利益確定売りをこなす展開か。前日の米ダウ工業株30種平均が大幅に上昇したことを受けて運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが先行しよう。一方で、ハンセン指数は前日までの2日間で964.99pt(3.41%)上昇しており、買い一巡後はいったん利益確定売りが出やすそうだ。中国電子商取引(EC)大手のアリババ集団(09988)が2日に発表した2020年10~12月期決算は市場予想を上回ったものの、傘下の金融会社アント・グループの事業や上場を巡る不透明感から同日の米市場で米預託証券(ADR)は下落した。時間外取引では小動きとなっているものの、香港市場でもその動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
短期金利が落ち着きを見せていることが安心材料となろう
2日の中国・上海株式相場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比28.4013pt(0.81%)高の3,533.6849ptだった。中国人民銀行による公開市場操作(オペ)が連日で資金供給超となり、2日の短期金融市場で人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は低下した。当局が金融引き締めに動いているとの警戒感が和らぎ、投資家心理が改善した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで32億8100万元の買い越し。個別では、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イービン、000858)、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが買い越しとなり、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は小じっかりの展開か。米国市場が上昇した流れを引き継ぎ、堅調な推移が見込まれる。短期金融市場で人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)が落ち着きを見せていることも安心材料となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)