1日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に5日ぶりに反発した。終値は前週末比609.15pt(2.15%)高の28,892.86ptだった。指数が前週末までの4日続落で約6%下落していた反動で、これまでさえなかった中国のネット株を中心に押し目買いが入った。地合い改善に伴って朝方は下げていた金融株や不動産株の一角も上昇し、指数は午後に一段高となった。騰訊控股(テンセント、00700)をはじめ中国のネット株が軒並み買われ、中国スマートフォンの小米集団(シャオミ、01810)が上昇した。資源株や消費関連も高い。半面、前週末の米株安や、中国の1月の景気指標が弱含んだことは投資家心理の重荷となり、英金融HSBCが軟調、香港の公益株も総じて売られた。親会社の中国石油天然気集団(CNPC)がミャンマー事業を手掛ける中国石油天然気(ペトロチャイナ、00857)は横ばい。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は2012億香港ドルと1月半ば以来の低水準だったが、節目の2000億香港ドルは上回った。中国本土企業株で構成するハンセン中国企業指数も5営業日ぶりに反発し、前日比2.18%高の11,454.18ptで終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで164億3400万香港ドルの買い越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前週末比229ドル29セント(0.8%)高の30,211ドル91セントで終えた。市場の混乱を招いていた個人の投機的な売買が弱まり「損失が膨らんだヘッジファンドの持ち高調整が一巡した」(UBS)との見方から買いが優勢になった。ダウ平均は前週に1,000ドル強下落しており、長期的な株高を見込む投資家から押し目買いも入りやすかった。
本日の香港市場でハンセン指数は続伸か。米主要株価指数がそろって上昇した流れを好感し、香港市場も買いが先行しよう。「ニューエコノミー」関連中心に堅調な展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開を想定。政策期待が支えに
1日の中国・上海株式相場は3営業日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前週末比22.2144pt(0.63%)高の3,505.2836ptだった。中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作(オペ)を通じて連日で市場に多めの資金を供給し、金融引き締めへの警戒が和らいだ。指数が前週末に約1カ月ぶりの安値に沈んでおり、押し目買いも優勢となった。小売りや豚肉関連、家電株の一角が春節(旧正月)期間中の消費拡大を期待し上昇した。一方、1月31日に発表された1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から悪化し、新型コロナウイルスの感染対策の強化が景気の回復を遅らせるとの懸念がくすぶり、相場の上値は重かった。科創板の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は前日比0.03%安、深セン成分指数は同202.250pt(1.36%)高の15,024.244ptだった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで34億5900万元の買い越し。個別では、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イービン、000858)、美的集団(ミデアグループ、000333)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は確りの展開か。景況感の悪化は上値抑制要因として意識されそうだが、政策期待が支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)