25日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末比711.16pt(2.41%)高の30,159.01ptと3万の大台を回復し、2018年6月15日(3万0309)以来およそ2年半ぶりの高値を付けた。前週末の米国市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が過去最高値を更新したことを手がかりに、ハイテク株に買いが入った。中国本土からの投資資金の流入期待も続き、中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)が一時11%高と、上場来高値を更新した。中国出前サイトの美団なども上昇、中国半導体の中芯国際集成電路製造(SMIC)は10%高となった。一方、不動産株や公益株、資源株などはさえなかった。英金融HSBCなど金融株の一角も売られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで192億5600万香港ドルの買い越しだった。
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比36ドル98セント(0.1%)安の3万0960ドル00セントで終えた。新型コロナウイルスのワクチン普及に不透明感が漂い、経済正常化が遅れかねないとの懸念から景気敏感株が売られた。半面、決算発表を間近に控えた主力ハイテク株には業績期待の買いが入り、下値は堅かった。
本日の香港市場は、中国本土マネーの資金流入加速で底堅く推移か。足元の相場上昇を受けた売り圧力は依然としてくすぶるものの(昨日のハンセン指数は約2年7カ月ぶりの高値)、香港市場にとっては本土マネーの流入が再び加速したこともプラスだ。中国本土との相互取引スキームを通じた25日の買い越し額は約193億香港ドルに達し、前営業日(22日)の買い越し額からほぼ倍増している。
(マーケット支援部 松川)
中国政府の政策に対する期待感が相場を下支えすると想定
25日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前週末に比べ17.4885pt(0.48%)高の3,624.2381ptだった。21日に付けた昨年来高値を更新し、2015年12月25日以来5年1カ月ぶりの高値だった。ネット株などへの買いで25日の香港株式相場が大幅に上げており、上海と重複上場する金融株などに買いが波及した。上海総合指数は朝方は売りが先行したが、節目の3,600ptを下回ると押し目買いが入り、上昇に転じた。2月中旬の春節(旧正月)での需要増を見込んで白酒生産の貴州茅台酒が上場来高値を更新するなど、酒造で上げる銘柄が目立った。旅行関連も高い。中国平安保険や中国建設銀行など香港市場と重複上場する金融大手が午後にかけて上昇に転じ、相場の支えとなった。
深セン市場で深セン成分指数は81.463pt(0.52%)高の15,710.193ptだった。新興企業向け市場の「創業板」指数は小幅に4営業日ぶりに反落し0.08%安だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで19億3100万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、科大訊飛(アイフライテック、002230)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、中国政府の政策に対する期待感が支えとなり底堅い展開か。今年は経済対策の第14次5カ年計画(2021~25年)の初年度ということもあり、各種産業支援策に対する期待感が高まる状況だ。5カ年計画の主要テーマには、内需の拡大や科学技術の発展が盛り込まれており、前日の本土市場では、関連銘柄を物色する動きが再び活発化した。
(マーケット支援部 松川)