21日の香港株式市場は小幅に6営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日に比べ34.71pt(0.11%)安の29,927.76ptだった。20日の米株式市場で主要3指数がそろって過去最高値を更新したことを好感し、ハンセン指数も一時は0.6%上げ心理的な節目の30,000ptを上回ったが、この水準では目先の利益を確定する売りが出た。一方、投資信託など中国本土資金の香港市場への流入が続くとの見方は根強く、相場の下値は限られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで162億6300万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3営業日ぶりに反落し、前日比12ドル37セント安の31,176ドル01セントで終えた。前日に過去最高値を更新し、利益確定売りが取引終了にかけて強まった。ただ、主力ハイテク株に決算期待の買いが連日で入り、相場を下支えした。バイデン新政権による新型コロナウイルス感染抑制策も経済正常化への期待を高め、下値は堅かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比73.667pt(0.5%)高の13,530.915ptで終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も前日比1.22pt高の3853.07ptで終え、ともに連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は、上値の重い展開か。高値への警戒感がくすぶる中、目先は戻り売り圧力に押される地合いを強いられそうだ。
(マーケット支援部 床井)
【中国本土市場】一段の好材料に乏しく、上値の重い展開か
21日の中国・上海株式市場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比38.1721pt(1.06%)高の3621.2641ptと、心理的な節目の3600pt台を回復し、2015年12月下旬以来およそ5年1カ月ぶりの高値を付けた。深セン株が大幅に上昇し、好調な香港株に流出していた投資資金が中国本土市場に戻ってきているとの見方につながった。世界経済の安定や中国政府による景気支援策への期待も、投資家心理を上向かせた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで56億7800万元の買い越しだった。個別では、科大訊飛(アイフライテック、002230)、貴州茅台酒(グイジョウ・モウタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ヘンルイ・メディシン、600276)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、上値の重い展開か。米景気指標の改善や、中国の政策期待などは支えとなるものの、一段の好材料にも乏しい状況だ。上海総合指数は昨日、約5年1カ月ぶりの高値水準を切り上げたことで、売り圧力も意識されよう。
(マーケット支援部 床井)